山形県

2024/08/19

山形のご当地B級グルメ「芋煮」とは?特徴や歴史を紹介!

蔵王や月山など山々に囲まれ、母なる最上川が流れる山形県。

風光明媚な自然の中でわいわい楽しむご当地料理があります。一見、具だくさんの汁物のように見える「芋煮」は、ほっとする味わいが魅力の一品です。

今回は山形で誰もが知っている郷土料理「芋煮」の特徴や歴史について解説します。

山形県の「芋煮」とは? 

山形県の芋煮は秋から冬にかけてよく食べられる、郷土料理の一つです。秋になると河川敷で鍋を囲み、家族や知り合いと一緒に食事を楽しむのが文化になっています。

9月には山形市で「日本一の芋煮会フェスティバル」が行われ、直径6.5mもの大鍋に約3万食の芋煮が作ってふるまわれます。大型のショベルカーを使った豪快な調理の様子は見るものを圧倒させ、市内外からたくさんの観光客が訪れるほどです。

山形県の芋煮の歴史 

山形の芋煮の発祥は、1600年代半ばの中山町長崎付近と言われています。当時は上方(現在の京都付近)から運ばれてくる西廻り航路の「北前船」が活躍し、酒田を経由した中山町で荷物の取引が行われていました。

しかし、この時代には船が到着したことを知らせる通信手段がなく、船頭たちは港で荷物の受取人が現れるまで、河原で鍋を囲みながら宴をしていたそうです。

また、船着場の近くに里芋の名産地である小塩集落があったことから、そこで買った里芋と舟に積んできた棒だらなどの干物を煮て食べたのが、芋煮会のはじまりと言われています。

ちなみに、具材に牛肉を使うようになったのは、昭和の初め頃ではないかと言われています。 

芋煮の種類と作り方 

山形県の芋煮は、味付けや具材が地域によって異なるのがの大きな魅力です。

日本海に面した庄内地方では養豚業が盛んであったため、豚肉とみそ味の組み合わせが一般的です。最上地方や村山地方、置賜地方では、牛肉を使ったしょうゆ味が主流で、里芋や牛肉、こんにゃく、ねぎなどの食材を使い、最上地方では山菜やきのこを加えたり、置賜地方では大きめに切った木綿豆腐を入れて、隠し味にみそを使ったりと食材や味付けの違いがみられます。

また、家庭での個性豊かな具材や味付けを楽しむのも、醍醐味の一つと言えるでしょう。

そんな芋煮の作り方はとてもシンプルで、鍋に水と里芋、こんにゃくを入れて沸騰したらしょうゆや酒、砂糖などを加えて煮込みます。里芋がやわらかくなったら、牛肉と調味料を足してさらに煮ていき、最後にねぎを加えて完成です。具材の旨みとやさしい甘めのしょうゆ味が具材と相性ぴったりで、ぐつぐつと煮込んだ里芋はホクホク、プリプリの食感のこんにゃく、シャキシャキとした香りのよいねぎが、絶妙なコンビネーションです。

また、牛肉の旨みとコクが加わることで、汁まで飲み干したくなる一品に。お好みで七味唐辛子をかけてもおいしいので、ぜひ試してみてください。

芋煮の楽しみ方

豊かな自然の中で、わいわい楽しむ芋煮は、その時期になるとスーパーやコンビニエンスストアで、食材や道具をレンタルできます。家庭で作ることも多い芋煮ですが、地域や学校行事などのイベントでは、河原にある石を積みながらかまどを作り、みんなで談笑しながら仲良く鍋を囲むこともあります。そんな楽しい芋煮会の〆となるのが、旨みがたっぷりの汁にカレールーとうどんを入れて作るカレーうどん。

だしの効いた甘めのしょうゆ味にスパイシーなコクのカレーが絡んだうどんは、お腹が満たされていても次々に箸が進んでしまうおいしさです。県内では手作りのほかにも、居酒屋や飲食店で芋煮が気軽に楽しめますので、ぜひ召し上がってみてくださいね。

山形県のおすすめ観光スポット

ここからは山形県のおすすめ観光スポットをご紹介します。

ノスタルジックな風景が人気の「銀山温泉」

山形県尾花沢市にある銀山温泉は、大正ロマンの趣があふれる、ノスタルジックな景色が人気の温泉街です。

一歩足を踏み入れれば、まるでタイムスリップしたかのような風情のある景色に癒されます。夜はガス灯のやさしい灯りが街を照らし、冬は雪化粧をまとった建物の美しさが秀逸で、つい写真に収めたくなること間違いなしですよ。

温泉に浸かってリフレッシュしたあとは、浴衣と下駄で自由に散策することもできるので、ぜひ非日常感を味わってみてください。

出羽三山の神々が集まる「羽黒山」

約1400年の歴史がある羽黒山は、月山(がっさん)や湯殿山(ゆどのさん)と合わせて「出羽三山」と呼ばれています。

威風堂々とした佇まいの国宝「五重塔」や、自然のパワーを感じる樹齢数百年の杉など、ほかにも見どころがたくさんある名スポットです。山頂には出羽神社の社殿があり、3つの神を祀る「三神合祭殿」へは連日多くの方が参拝に訪れます。

約1.7kmある参道は2446段の石段で構成されており、上りながら豊かな自然や神秘的な雰囲気、澄み切った空気感を肌で感じることができます。

東北最大規模の「高畑ワイナリー」

100年以上前からぶどうの栽培を行ってきた高畠町では、ワインに使うシャルドネ品種とデラウェア品種の出荷量がなんと日本一。

地元のぶどうにこだわって作る限定ワインや、グラスワインのテイスティングが無料でできるのもうれしいところ。さらに、ショップでは常時40~50種類のワインとおつまみが並び、ワイン好きにはたまらない場所となっています。創業当時からある白ワイン入りのソフトクリームも人気です。

山形県へのアクセス

東京から山形駅へ行く際は、山形新幹線を経由して約3時間で到着します。飛行機を利用する場合は、羽田空港から山形空港まで、約1時間の道のり。

大阪の伊丹空港や名古屋の小牧空港から向かうと約1時間10分で到着し、西日本から来られる際は飛行機でのアクセスがおすすめです。

山形県の位置

まとめ

今回は山形県のご当地グルメ「芋煮」についてご紹介しました。

年中行事や秋の風物詩として、県内全域が活気づく山形の芋煮会。飲食店やホテルでも見かけるメジャーな郷土料理なので、見かけたらぜひ召し上がってみてくださいね。

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