ランキング
2025/01/03
富山県のご当地B級グルメ「ぶりしゃぶ」とは?特徴や歴史を紹介!

この記事の目次
富山県は全国でもぶりの消費量がもっとも多い地域です。縁起物として古くから愛されてきたぶりは、富山の冬を代表する魚です。刺身や焼き魚はもちろん、かぶら寿司やぶり大根といった郷土料理でも親しまれ、正月料理や贈り物としても欠かせない存在です。
近年では、富山ならではの鮮度の良さと脂ののったぶりをしゃぶしゃぶで楽しむ「ぶりしゃぶ」が、全国的にも注目を集めています。
そんなぶりしゃぶの特徴や歴史について探っていきましょう。
ぶりしゃぶの特徴

ぶりしゃぶは、10月から2月にかけての漁獲シーズンに、地元の飲食店で頻繁に提供される冬の定番料理です。富山の新鮮なぶりを使ったこの料理は、寒い季節に体も心も温めてくれる一品として、多くの人々に愛されています。
新鮮なぶりの旨みを最大限に引き出すのが、ぶりしゃぶの魅力です。薄切りにしたぶりを、煮立たせた昆布だしにさっとくぐらせると、表面だけに火が通り、中心はレアな状態に。身がほどよく締まり、旨みがぎゅっと閉じ込められます。
また、軽く火を通すことで脂が適度に落ち、さっぱりとした味わいに仕上がるのも特徴です。刺身として食べるのが苦手な方でも、しゃぶしゃぶにすることで余分な脂や臭みが取り除かれるため、食べやすくなります。
また、ぶりしゃぶは旬の野菜やきのこと一緒に味わうことで、見た目が彩り豊かになり、栄養バランスにも優れた料理になります。水菜や白菜のシャキシャキとした食感や、きのこの芳醇な香りが、ぶりの濃厚な味わいを引き立てます。
ヘルシーで満足感のあるぶりしゃぶは、お店によって提供されるタレや味付けが異なるのも魅力です。おろしポン酢の爽やかな酸味やごまだれのコク深い風味は、ぶりと相性抜群です。豆乳鍋で提供しているお店もあり、手作りの湯葉を引き上げながらぶりしゃぶを楽しめます。
富山県のぶりがおいしい理由

ぶりは日本各地で水揚げされる代表的な魚ですが、富山湾で冬に捕れる「寒ぶり」は、特に脂ののりが良く、その品質の高さから全国的に高い評価を受けています。「富山湾の王者」とも称され、富山県を代表する魚です。
富山湾が寒ぶりの名産地として知られる理由は、「天然のいけす」とも呼ばれる豊かな環境にあります。富山湾は能登半島に囲まれ、海底が急激に深くなる地形を持つため、回遊魚が湾内に誘い込まれやすいのです。この特性により、脂肪を蓄えた寒ぶりが冬になると富山湾で漁獲されます。また、水温が14度以下の場所を避けて移動するぶりの習性も、富山湾での漁期に影響を与えています。
特に富山県の氷見漁港で水揚げされる寒ぶりは「ひみ寒ぶり」というブランド名で知られています。このブランドが全国的に高い知名度を持つのは、氷見漁港が富山県内でもっとも多くの寒ぶりを水揚げする漁港であることに加え、ぶりにストレスを与えにくい「定置網漁」で行われているからです。漁獲後すぐに氷で冷やしながら「沖締め」を行い、ぶりの鮮度を最高の状態で維持します。さらに、定置網が漁港の近くに仕掛けられているため、短時間で水揚げが可能となり、鮮度を保ったまま市場に届けられます。
ぶりしゃぶの歴史
富山県民とぶりの歴史は非常に深く、富山から岐阜、さらに長野を結ぶ旧街道は「ぶり街道」とも呼ばれています。かつて富山湾で水揚げされたぶりは、塩漬けにして「塩ぶり」として保存され、街道を通じて内陸部に運ばれていました。このことが、ぶりが保存食として重宝され、広く流通するようになった背景となっています。冷蔵輸送技術が発達すると、生鮮食品が主流となりました。
そして、ぶりしゃぶの発祥にはいくつかの説がありますが、その一つとして語られるのが富山市桜木町の「割烹 扇」です。昭和47年(1972年)に創業した「割烹 扇」は、富山の旬の食材を使った懐石料理を楽しめる老舗として広く知られています。
ぶりしゃぶの起源は約40年前、京都にさかのぼると言われています。二代目の扇浦学さんによれば、ある寺の住職が、余った日本酒とぶりの頭を使って鍋を作り、檀家の人々に振る舞ったのが始まりだそうです。その話を聞いた、「割烹 扇」の初代マスターである扇浦博さんが再現した料理が、「ぶりしゃぶ」です。
その後、ぶりしゃぶは評判を呼び、富山の名物として広がり、平成8年(1996年)には「富山県のさかな」に選ばれました。
富山県の観光スポット
ぶりしゃぶが楽しめる富山県には、さまざまな観光スポットがあります。今回は、そのなかから特に人気のある3つのスポットを紹介します。
富山市ガラス美術館

「富山市ガラス美術館」は、「ガラスの街とやま」のシンボルとして、世界的建築家・隈研吾氏が設計した複合施設「TOYAMAキラリ」内に位置する美術館です。館内では、国内外から収集された現代ガラスアートを中心に展示しており、特に6階「グラス・アート・ガーデン」では、巨匠デイル・チフーリの空間芸術を堪能できます。
ガラスや木材を活用した洗練された内装も見どころの一つです。企画展やコレクション展も随時開催され、ガラスの多彩な魅力を楽しめます。併設された加賀麩を使ったスイーツを楽しめる和カフェも人気があります。
富山城址公園

「富山城址公園」は、戦国時代に佐々成政、江戸時代には富山前田家の居城だった富山城の跡地に整備された、富山市中心部の緑豊かな公園です。
園内には、昭和29年(1954年)に復元された富山城の天守閣を利用した富山市郷土博物館があり、400年以上の城の歴史や文化を学べます。特に高さ約140cmの前田利長の兜は必見です。天守展望台からの眺めも楽しめます。春にはお濠の水面に桜が映える花見の名所として多くの人々が訪れる人気スポットです。歴史と自然が調和する空間で、富山の魅力を存分に味わえます。
ほたるいかミュージアム

「ほたるいかミュージアム」は、富山湾を代表するホタルイカの生態や富山湾の神秘を学べる体験型施設です。最大の魅力は、期間限定で開催される「ほたるいか発光ショー」。間近で見る青白い光は幻想的です。また、水温5℃の深層水タッチプールでは、深海生物に触れることができ、子どもから大人まで楽しめます。館内では最新のVR技術を活用した「VRホタルイカ」で深海の世界をリアルに体感できます。
隣接するレストランでは、ホタルイカを使った料理を味わえるほか、ショップでは珍味や深層水関連商品も充実。富山湾の魅力を五感で楽しめるスポットです。
富山県へのアクセス方法
グルメも観光も魅力的な富山県には、さまざまなアクセス方法があります。日本三大都市でもある東京、大阪、名古屋からも近くアクセスが便利です。
東京からは北陸新幹線が最速で、約2時間で富山駅に到着します。飛行機の場合、羽田空港から富山空港まで約1時間で、空港から市内へはリムジンバスで約30分です。
大阪からは特急「サンダーバード」を利用すると、約2時間30分で到着します。車なら名神高速・北陸自動車道を経由し、約5時間です。
名古屋からは特急「ひだ」で約3時間30分。または、新幹線で金沢経由なら約3時間。車の場合は東海北陸道経由で約3時間30分です。
車でゆっくりドライブを楽しみながら富山県に向かうのもおすすめです。最適なアクセス方法を探してみてくださいね。
まとめ
ぶりしゃぶはそのおいしさだけでなく、富山の歴史や文化とも深く結びついています。富山湾の恵まれた自然環境と、地元の人々による長年の伝統があってこそ、ぶりしゃぶが楽しめます。
富山県に訪れた際は、ぜひぶりしゃぶを味わってみてくださいね。
\ テンポススター加盟店を募集中! /