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2023/12/21
栃木県ご当地B級グルメ「佐野ラーメン」とは?特徴や歴史を紹介
この記事の目次
つるっとした麺とスープがおいしいラーメン。
栃木県佐野市にはちょっぴり変わった製法で作られる、ご当地ラーメンがあります。全国的にも知名度のある佐野ラーメンですが、その特徴や歴史について詳しく知る方は、意外と少ないのではないでしょうか?
そこで今回は佐野ラーメンの特徴や発祥など、その魅力についてご紹介します。
佐野ラーメンの特徴
佐野ラーメンは青竹を使って麺を打つ、「青竹打ち」という製法で作られた、ちぢれ麺が特徴のご当地ラーメンです。
とんこつや鶏がらからとった曇りのないしょうゆスープが特徴で、あっさりとした中にもコクがあり、青竹打ちの麺とも相性抜群のおいしさなんです。お店によっては、塩味やみそ味、ごまの風味が効いたスープと合わせても食べられます。
佐野ラーメンの発祥や由来
佐野ラーメンの歴史は古く、ある洋食屋さんが佐野で初めてラーメンを出したのが大正5年頃です。
このとき、洋食屋さんで働いていた中国出身の料理人の方が、青竹で麺を打つ方法を佐野に伝えたと言われています。その後、洋食屋さんの料理人がこの技法を受け継ぎ、昭和5年に新しくラーメンの店を開いたのが、佐野ラーメンのはじまりといわれています。
当時は繊維業に従事していた職工さんや、忙しいときの食事によくラーメンの出前が活用されていたそうです。昭和初期には人口5万人に対して、160軒近くのラーメンのお店があり、佐野ではもともとラーメンを食べる文化が根付いていたといえるのではないでしょうか。
その佐野ラーメンが全国に広まったのは、昭和63年頃のこと。多くの方々においしい佐野ラーメンを食べてもらいたいという思いから、市内のラーメン店が集まり、「佐野らーめん会」を発足したそうです。
そのあとに都内の百貨店などで青竹打ちのPRが行われたことがきっかけに、「佐野ラーメン」という名前が全国に広まったと言われています。
佐野ラーメンの材料や作り方
「青竹打ち」の製法で作られることの多い「佐野ラーメン」。その作り方は、小麦粉を固めた生地の上に青竹をのせて、片足に竹を引っかけながら全身を弾ませるようにして、テンポよく麺を打っていきます。
青竹を使って麺を打つことで、麺の中に細かな気泡が入り、麺に対して少し多めの水分を入れて練ることで、適度なやわらかさとコシを合わせ持つ、特有の手打ち麺に仕上がるそうです。
もう一つ、佐野ラーメンの作り方で特徴的なのが、麺の茹で時間です。麺の中に気泡が多いため、熱が通りやすく、通常よりも短い時間で麺がゆであがります。絶妙な茹で時間によって、コシの強さとざらっとした特有の舌ざわりも楽しめます。
また、佐野ラーメンの具材は、チャーシューやメンマ、なると、ねぎといった具材が多く、昔懐かしい中華そばを連想するような見た目で、クセのないやさしい味わいが毎日食べても飽きないラーメンとして、今も幅広い世代の方に愛されています。
佐野ラーメンの魅力
佐野ラーメンは、手打ちによる麺の不揃いな部分の食感や、すすったときの舌ざわり、のどごしの良さなど、麺本来のおいしさが楽しめるのが魅力です。
打ちたての麺は包丁で切った後に手揉みすることで、あえてちぢれた麺にしているそう。こうすることでスープともからみやすく、食べたときの麺とスープの一体感を生み出してくれるのです。
もう一つ、佐野ラーメンのおいしさの秘密は、麺やスープに使われる「水」にあります。豊かな自然によって育まれた佐野の水は、くせがなくまろやかでラーメン作りに適していると言われています。
そんな自然の恵み豊かな栃木県ですが、気候にはある特徴が。
冬は乾燥した「からっ風」が吹き、夜は冷えやすく、夏は蒸し暑いという、寒暖差のある気候になっているのです。そのため、ラーメンの麺に使う水の量はその日の気温や湿度、天候によって変えて、打ち方を日々調整しているのだそうです。
また、佐野ラーメンのお店の中には、安定した麺のおいしさを提供するために、あえて機械打ちの麺を提供しているお店もあるそうです。
こうした機転の利いた工夫が佐野ラーメンのおいしさやお店の味の個性につながっているのですね。
佐野市へのアクセス
ここからは、佐野市へのアクセスについてご紹介します。
佐野といえば、日本名水百選に選定された出流原弁天池湧水(いずるはらべんてんいけゆうすい)があります。
ここは出流川の源になっている場所で、そのほとりに立つと水の中で優雅に泳ぐ鯉の姿や、水底に生える藻をはっきりと確認することができます。
古生層である石灰石の割れ目からは清らかな水が湧きだし、水温は年間を通して16度ほど。辺りは森林が生い茂り、ひんやりとしているため避暑地としても人気がある場所です。湧水池のそばにある朱塗りの楼門、磯山弁財天も見どころの一つなので、観光の際にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
さて、佐野市へ電車で向かう場合は、JR東北新幹線に乗って東京から小山駅まで行き、そのあとJR両毛線に乗り換えて佐野駅まで行けます。全体で約80分の道のりです。
車で向かう場合は、首都圏からだと川口JCTから東北自動車道経由で、佐野藤岡JCまで行くとよいでしょう。約35分の道のりです。
高速バスで向かう場合は、東京方面からなら、東京駅や新宿駅からの直行バスを利用するのがおすすめです。これに乗ると、乗り換えなしで佐野新都市バスターミナルまで行くことができますよ。約95分の道のりです。ぜひ参考にしてみてくださいね。
栃木県佐野市の位置
まとめ
今回は栃木県のご当地グルメ、佐野ラーメンの特徴や歴史、魅力についてご紹介しました。
一見、シンプルに見える佐野ラーメンですが、麺作りへのこだわりや独自の製法から生み出される食感など、奥深い味わいが楽しめる一品です。
佐野らーめん会の公式HPでは、加盟店がのっているラーメンマップも掲載されています。気になるお店を見つけたら、ぜひ現地でこだわりの一杯を召し上がってみてくださいね。
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