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2024/11/15
伝統技法の日本酒造り
今から30年ほど前の話ですが、雑誌に連載された漫画が人気を博しテレビドラマにもなった『夏子の酒(Natsuko no SAKE)』はご存じですか?それは、造り酒屋の娘として生まれながら、家を離れ東京で仕事をしていた夏子でしたが、家業を継いだ兄が『日本一の酒を造る』という夢半ばで病に倒れ、その兄の遺志を継ごうと急遽実家に戻り、一から酒造りを勉強し奮闘していくというお話です。
この女性初の丹波杜氏となった今川純さんも、地元で1軒となってしまっていた酒蔵の娘に生まれながら家を出て仕事をしていたところに、ご実家からの酒蔵を畳むという知らせを聞き舞い戻り、ゼロからの出発で修業に励み、また地域の農家さん達に酒米の栽培をお願いして回ったり、酒造りと経営の数々の難題に立ち向かいます。
修行の中で酒類総合研究所に勤めていた現在のご主人に出会い、そこからお二人で夢に向かった作業が始まりました。その夢とは、機械に頼らず昔ながらの方法で、少量ながらも丁寧にこしらえた理想のお酒を造るということ。
銘酒「六歓」の誕生はそんなお二人が追い求めてきた努力の結晶となりました。この「六歓(Rokkan)」の名前は、人が感じる五感に口に含んだ時の華やかな味わいの歓びを一つ加えたというものと、その地「六人部(Mutobe)」の酒米と水・風土・人々で造り上げたのだという「六人部の歓び」を意味しているそうです。
福知山は、寒暖差もあり米作りにも最適なのだそうで、地元の酒米を積極的に取り入れるということは、その地の農家さん、農地保全にも貢献にもなります。自然豊かな福知山を訪れ、そんな今川純さんのこだわりの酒造りを見学してみたいと思いませんか?試飲もできますので、お気に召したらお土産にいかがでしょう。
この体験は4月~9月(リクエストベース)となっていますので春まで待ちますが、予約は受け付けられます。
外国の方は、日本で初めて日本酒(Rice Wine)を小さなグラスやお猪口(Ochoko)に注がれると、ついショットと間違えて一気に飲もうとしてしまうそうですが、それは間違え。チビチビと少しずつ口に含みながら、口の中に広がる香りや優しく柔らかな喉越しを楽しんでくださいね!
執筆者:himiko