


日本の冬は空気が澄んでいて、背筋が伸びるような心地よい寒さがありますね。
皆さんが日本を訪れる際、最も期待するのは「桜(さくら)」かもしれません。しかし、桜が街をピンク色に染める少し前、まだ冬の寒さが残る2月から3月にかけて、日本人が心待ちにしている特別なイベントがあります。
それが「梅まつり(うめまつり)」です。
今回は、春の先駆けとして咲く梅の花と、その下で楽しむお茶の文化、そして日本人が大切にしている優雅なひとときについて、心を込めてお伝えします。
冬の寒さに耐えて咲く。日本人が愛する梅の花の名所5選もチェック

日本では、梅の花は「春を告げる花」として古くから愛されてきました。
寒さの中で凛と咲く姿
梅の花は、雪が降るような厳しい寒さの中でも、小さな丸い蕾を膨らませ、可憐に花を開きます。その姿は、長い冬を耐え抜いた日本人の忍耐強さや、新しい季節への希望を象徴しています。
「梅まつり」は、ただ花を眺めるだけのお祭りではありません。ようやく寒さが和らぎ始めた喜びを、地域のみんなで分かち合い、今年一年の幸せを願う、温かな交流の場でもあるのです。
梅まつりの会場を訪れると、多くの場所で「野点(のだて)」という文化に出会うことができます。
野点(のだて)とは?
野点とは、屋外で抹茶を楽しむ茶会のことです。通常、茶道は静かなお茶室で行われますが、この時期は美しい梅林の中に毛氈(もうせん:赤い布)が敷かれ、青空の下でお茶を点てます。
五感で楽しむ: 目の前には紅白の梅の花が広がり、鼻をくすぐるのは梅の上品な甘い香り。耳を澄ませば小鳥のさえずりが聞こえ、温かい抹茶を味わう……。まさに、五感すべてを使って日本の春を感じる贅沢な時間です。
和菓子との出会い: お茶と一緒に提供されるのは、梅の花を形取ったピンク色の生菓子や、梅の香りがするお干菓子です。見た目にも可愛らしく、食べるのがもったいないほどの美しさですよ。
お作法を知らなくても大丈夫。大切なのは、自然の中でリラックスして、その瞬間を心から楽しむことです。

日本には、お茶と梅を同時に楽しめる素晴らしい場所がたくさんあります。その中でも特に、外国人の方におすすめしたいスポットをいくつかご紹介します。
京都:北野天満宮(きたのてんまんぐう)
京都で最も有名な梅の名所です。2月25日には「梅花祭」という特別なお祭りが行われます。
ここでは、華やかな着物を着た「舞妓(まいこ)」さんや「芸妓(げいこ)」さんが、参拝客にお茶を点ててくれる特別な茶会が開かれます。美しい梅の花と、日本の伝統美を象徴する舞妓さんの姿を同時に見られるのは、一年でこの日だけです。
天ぷら割鮮酒処へそ 京都店
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東京:湯島天神(ゆしまてんじん)
上野公園の近くにあるこの神社では、毎年「文京梅まつり」が開催されます。
都会の真ん中にありながら、一歩中に入れば江戸時代にタイムスリップしたかのような風景が広がります。週末には日本舞踊や伝統芸能のパフォーマンスも行われ、お茶を飲みながらゆっくりと日本の文化を鑑賞することができます。
祭家夢吉 上野広小路店
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水戸:偕楽園(かいらくえん)
茨城県にある日本三名園の一つです。ここには約3,000本の梅が植えられており、その広大さは圧巻です。
まつりの期間中は、歴史ある建物「好文亭(こうぶんてい)」でお茶をいただくことができます。窓から見える一面の梅の海は、まるで一枚の絵画のような美しさです。
鰻の成瀬 水戸店
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初めて梅まつりを訪れる皆さんに、より優雅に過ごすためのアドバイスをお伝えします。
香りに注目して: 桜にはほとんど香りがありませんが、梅はとても良い香りがします。お茶を飲む前に、ぜひ深く深呼吸をしてみてください。ジャスミンのような甘く高貴な香りが、あなたの心を癒やしてくれます。
甘酒(あまざけ)を試してみて: お抹茶だけでなく、屋台で売られている温かい「甘酒」もおすすめです。米麹から作られたノンアルコールの飲み物で、飲む点滴と言われるほど健康に良く、冷えた体を芯から温めてくれます。
カメラを持って: 梅の花は桜よりも花びらが丸く、可愛らしいのが特徴です。また、梅の木には「メジロ」という鮮やかな緑色の鳥が蜜を吸いにやってきます。ピンクの花と緑の鳥の組み合わせは、最高にフォトジェニックな瞬間です。

日本の2月は、確かにまだ少し寒いです。でも、その寒さがあるからこそ、梅の香りはより清らかに感じられ、一杯の温かいお茶が心に染み渡ります。
梅まつりは、自然を愛で、季節の移ろいを丁寧に楽しむという、日本人が何千年も大切にしてきた精神を体験できる最高の場所です。
有名な観光地を急いで回る旅も良いですが、時には梅の木の下で足を止め、お茶を一口飲んで、ゆっくりと流れる時間を感じてみませんか?
そこには、ガイドブックには書かれていない、優しくて優雅な「本当の日本」が待っています。
あなたの日本への旅が、梅の花のように美しく、温かな思い出でいっぱいになりますように。
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