茨城県

2024/05/16

茨城のご当地B級グルメ「笠間いなり寿司」とは?特徴や歴史を紹介!

茨城県では、1年を通じて温暖な気候と豊かな水質を活かして、古くから農業が営まれていました。地元でとれるさまざまな食材を使った郷土料理の「五目いなりずし」は有名です。

特に注目したいのは、日本三大稲荷の一つといわれる笠間稲荷神社がある笠間で親しまれているちょっと変わった「笠間いなり寿司」。

そんな笠間いなり寿司の特徴と歴史について探っていきましょう。

笠間いなり寿司の特徴

笠間いなり寿司は、とても個性的なご当地B級グルメです。そばやくるみ、舞茸や菜の花の辛子和え、すき焼きなど、さまざまな具材を油揚げに包んでいます。華やかな見た目の笠間いなり寿司は、一口サイズで食べやすく食べ歩きにもおすすめです。

茨城県は、全国のそば職人から高い評価を得ている「常陸秋そば」の産地でもあることから「そばいなり」が人気です。また、歴史にちなんだ「くるみいなり」も親しまれています。

そばいなり

そばを使った「笠間いなり寿司」の元祖といわれているのは、創業8年(1875年)の「そば処つたや」。昭和35年(1960年)から作り続けているのは、酢飯の代わりにそばを油揚げで包んだ「そばいなり」。甘みや香りに特徴がある「常陸秋そば」を打ち、油揚げのなかに詰めています。

食べてみると、そばがパラパラとほどけるような軽い食感で、何個でも食べられそうです。少し濃いめの味つけの油揚げが、そばの香りによく合います。そばいなりは笠間市以外でも食べられますが、全国に先駆けて販売したのは「そば処つたや」だといわれています。

そばいなりは、昭和35年(1960年)ごろに3代目のご主人が考案したものです。当時、お花見にいなり寿司を持っていくことが多かったそうですが「そば屋がふつうのいなり寿司を持って行ってもおもしろくない」と、酢飯の代わりに味つけしたそばを入れたのがはじまりです。

持参したそばいなりがおいしいと評判になり、お店で提供するようになりました。今では、他県から食べに来られる方も多いそうです。

くるみいなり

テレビなどで紹介されたことから、笠間いなり寿司といえば「そばいなり」というほど有名になりました。ですが「そばいなり」と同じぐらい人気のあるのが「くるみいなり」です。

最初にくるみを入れた笠間いなり寿司を提供したお店は、テイクアウト専門店の「くるみ稲荷ずし二ツ木」です。笠間稲荷神社は、かつてくるみ林のなかに祀られていたことから「胡桃下稲荷」ともよばれています。そこで笠間に相応しい食材で笠間いなり寿司を作ろうと「くるみいなり」が考えられました。

コクのある甘めの油揚げと酢飯に、くるみの食感と香ばしさがいいアクセントになっています。「くるみ稲荷ずし二ツ木」は、東京で行われたくるみ料理コンテストで金賞を受賞したことのあるお店です。

笠間いなり寿司の歴史

年間300万人を超える笠間観光の中心を担ってきた門前通りですが、ほとんどの観光客が笠間稲荷神社の参拝後、街中をあまり歩かずにすぐ帰っていました。そこで笠間市は「昔から地元で親しまれるいなり寿司で街おこしをしよう」と、平成17年(2005年)に推進会議を立ち上げます。

いなり寿司の形や味に決まりはなく、自由な形での参加をお店によびかけました。決まりがなかったことから、個性的な笠間いなり寿司を作るお店が集まりました。季節によって具材を変えているお店もあります。

推進会議は「笠間いなり寿司いな吉会」に変わり、笠間いなり寿司教室や笠間初午いなり寿司まつり、いなり寿司コンテストなど、さまざまなイベントを通して、笠間いなり寿司の魅力を発信しています。平成24年(2012年)には「ご当地グルメの祭典!B‐1グランプリin北九州」にも出展しました。

毎月17日は、いなり寿司の日で「笠間いなり寿司いな吉会加盟店」では、各種割引などのサービスを行っています。お得に笠間いなり寿司が食べられるチャンスです。

茨城県笠間市の観光情報とアクセス方法

茨城に訪れた際は、笠間いなり寿司が食べられる笠間市で観光も楽しんでみてはいかがでしょうか。今回は、笠間市にある3つの人気観光スポットを紹介します。

笠間稲荷神社

日本三大稲荷の一つとされている「笠間稲荷神社」は、五穀豊穣・商売繁盛の神として古くから信仰を集めています。境内の末社には、縁結びや子孫繁栄の神様も祀られているので、たくさんのご利益が期待できるパワースポットです。10月中旬から11月下旬に開催される「笠間の菊まつり」では、流鏑馬や舞楽祭など、さまざまな神事を行っています。

笠間稲荷門前通り

笠間稲荷神社から徒歩約1分の場所は「門前通り」とよばれていて、たくさんのお店があります。笠間いなり寿司はもちろん、胡桃饅頭やゆべし、焼き栗などを販売しているお店もあるので、食べ歩きを楽しめます。かわいらしいカフェでゆっくりしたり、じっくりお土産を選んだりするのもおすすめです。散策してみると、いいものが見つかるかもしれませんよ。

笠間つつじ公園

笠間稲荷神社から徒歩約20分の場所にある「笠間つつじ公園」。市内が一望できる笠間つつじ公園は、さまざまな種類のつつじが咲き誇る4月中旬から5月上旬にかけて「笠間つつじまつり」が開かれます。ふもとからつつじ山の山頂までは、約1時間のハイキングコースになっています。道中もつつじを楽しめますが、山頂に広がる芝生広場の展望台からの360度の大パノラマは絶景です。舗装された通路もあるので、車椅子の方でも楽しめます。

グルメも観光も楽しめる笠間市は、ほぼ茨城県の中央にあります。JR常磐線およびJR水戸線の鉄道、そして常磐自動車道および北関東自動車道の高速交通体系が確立されていて、アクセスが便利です。首都圏から100km圏内です。東京から車で向かうなら、約2時間で到着します。最適なアクセス方法を探してみてくださいね。

茨城県笠間市の位置

まとめ

変わったいなり寿司が食べられる笠間いなり寿司は、多くの人に愛されています。もちろん、白ゴマだけのシンプルな笠間いなり寿司もあります。笠間いなり寿司を楽しむなら、食べ歩きが一番です。

茨城に訪れた際は、笠間いなり寿司をぜひ食べてみてくださいね。

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