宮城県

2024/06/03

宮城のご当地B級グルメ「はらこ飯」とは?特徴や歴史を紹介

阿武隈川が流れる、宮城県亘理町。
この地域で古くから「漁師めし」として食べられている「はらこ飯」をご存じでしょうか?

実はある食材を使った期間限定のご当地料理で、旬の時期には発祥の地である亘理町や県内へ、多くのお客さんが食べに来るそうです。

今回はそんな魅力いっぱいの「はらこ飯」についてご紹介します。

宮城のご当地グルメ「はらこ飯」とは?

はらこ飯は宮城県亘理町の郷土料理です。秋の味覚の代表として親しまれ、9月〜11月頃になると、その味を求めてたくさんの観光客が訪れるという人気の逸品です。この地域では毎年秋になると、産卵を迎えたサケが遡上します。

そのサケを甘めのしょうゆで煮込み、残った煮汁やはらこ(この地域では「イクラ」のことを指します)を余すところなく使って仕上げたのが「はらこ飯」です。

はらこ飯の歴史と由来

江戸時代に、仙台の初代藩主伊達政宗が亘理町を訪れた際、地域に住む人々から献上された「はらこ飯」のおいしさに驚き、側近に伝えたことで、世に広まるきっかけになったと言われています。

近年では甘めのしょうゆで煮たサケの身とその煮汁でごはんを炊き、トッピングにイクラとサケをのせるお店が多いですが、亘理町に伝わる伝統のはらこ飯は少し作り方が異なります。

元祖のはらこ飯は煮つけたサケの身の中に、はらこと炊きたてのごはんを入れて混ぜます。シンプルな作り方ですが、サケとはらこ、その旨みがぎゅっとつまった煮汁を吸いこんだごはんは、口いっぱいにサケの旨味が広がりますよ。

はらこをごはんに混ぜると粒がなくなってしまうのでは…と心配になるかもしれませんが、さっくりと軽く混ぜることで、きらりとかがやくはらことサケのほぐし身がマッチした、美しい一杯に見えます。プチプチとはじけるイクラもごはんとの相性抜群です。

昔は一度にたくさん作って、近所や親戚におすそ分けするという習わしもあったようです。

はらこ飯の作り方

ここからははらこ飯の作り方についてご紹介します。はらこ飯に使うのは、天然の秋サケ。そのサケの皮や骨をとって切り分けるところから始まります。調味料はしょうゆや酒、砂糖などを使い、それらを煮立てたところにサケの身を入れます。火が通ったらサケの煮汁と身を分けておきます。

次にはらこの下ごしらえは水洗いをして、50~60度のお湯の中で1粒ずつほぐしていきます。水気を切ったあとは、サケの煮汁につけて軽く火を通し、取り出したらしょうゆとみりんを合わせた調味料に漬けておきます。はらこは軽く火を通すことで、その風味がよくなるのだそうですよ。

そして、先ほどとっておいたサケの煮汁を使ってごはんを炊きます。あとは炊きあがったごはんに、サケの身とはらこをトッピングして完成です。彩りに三つ葉を添えることもありますよ。

はらこ飯のおいしい食べ方

甘辛いしょうゆの味つけとサケの旨みでごはんがどんどん進むはらこ飯は、主に定食として提供されます。お店ではサケのひれや頭まで余すところなく使い、あら汁にして漬物といただくのが定番です。サケの身をさっくりとほぐしながら、イクラと軽く混ぜてお召し上がりくださいね。

また、現地のお店では秘伝のタレを使って煮込んだサケや、こだわりぬいた食材を使っており、おいしさをぐっと引き立てる大きな魅力になっています。

宮城のはらこ飯は、それぞれのお店が「自分のお店が一番!」と自負するほどの自慢の一品です。追加のトッピングでイクラを増量することも可能なので、ぜひ贅沢感を味わってみてくださいね。

亘理町の観光スポット 

海や川、山など豊かな自然に恵まれた亘理町。新鮮な海の幸や野菜、果物など、食文化も非常に豊かな地域です。ここからはそんな亘理町のおすすめスポットを見ていきましょう。

特産品がそろう「鳥の海ふれあい市場」

はらこ飯の発祥と言われる荒浜漁港近くにあり、地元でとれた新鮮な魚介類や野菜、特産物がそろう直売所です。

秋には「はらこ飯」も販売され、海産物のことを知り尽くした魚屋さんが作る「焼きガレイ」も絶品のおいしさ。特産品のいちごやブルーベリー、りんごを使ったソフトクリームも人気です。

お土産にはこちらのお店でしか買えないプチギフトもおすすめ。まさに亘理町のおいしいものが集まったスポットです。

開放感あふれる「鳥の海公園」

先ほどの鳥の海ふれあい市場から歩いて行けるのが、「鳥の海公園」。

太平洋に面した開放感のある公園で、子どもと一緒に遊べる遊具エリアやピクニックにぴったりの多目的広場もあります。サッカー場や野球場も近くにあるため、週末にはもちろん、日々にぎわいを見せている場所です。

いちご好きにはたまらない「いちごランドこうちゃん園」

いちごの産地として知られる亘理町は、東北一の生産量を誇っています。

こちらのいちご園では、宮城県オリジナルブランドの「もういっこ」をはじめ、真っ赤に熟した大粒のいちごが人気です。すっきりとした甘さで、ついもう一個…と手が伸びてしまうおいしさなので、休日やお出かけにいちご狩りを楽しんでみてくださいね。直売所でとれたてのいちごを購入することも可能です。

亘理町へのアクセス

仙台から電車で約30分、車で約50分の距離にある亘理町には、電車や新幹線、車を使ったアクセスが可能です。

山形や福島方面から向かう場合は、東北自動車道を通っておよそ1時間ほど。盛岡・福島方面から向かう場合は、東北新幹線に乗って仙台・白石まで行き、そこから常磐線でJR亘理駅まで行くことができますよ。

ぜひ参考にしてみてください。

宮城県亘理郡亘理町の位置

まとめ

今回は宮城県のご当地グルメ「はらこ飯」についてご紹介しました。

伊達政宗公の時代からそのおいしさが伝わる「はらこ飯」は、地元の幸を贅沢に散りばめた一品です。秋にしか食べられない旬の味わいを、ぜひお店で召し上がってみてくださいね。

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