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2024/10/30
京都のご当地B級グルメ「にしんそば」とは?特徴や歴史を紹介!

この記事の目次
京都の「にしんそば」は、歴史と風土が生み出した上品な味わいが特徴で、地元の人々だけでなく観光客にも愛されています。また、年越しそばとしても親しまれている一品です。
そんなにしんそばの特徴と歴史について探っていきましょう。
にしんそばの特徴

にしんそばの具は「棒炊き」とよばれる身欠きニシンの甘露煮のみです。「身欠き」とは、にしんをさばくときに腹側の部分を取り除くことに由来します。身欠きニシンは干して熟成させたもので、タンパク質やビタミン、ミネラルが豊富な栄養価の高い食材です。甘露煮にすることで、にしん特有の旨みが凝縮され、ふっくらとやわらかな身がそばの淡泊な味わいを引き立てます。
にしんそばのだしも特徴的です。昆布をベースに、薄口醤油で仕上げられた透明感のあるだしが使われます。上品なだしに身欠きニシンの旨みが溶け込み、そばと一体となって深みのある味わいを生み出します。北海道のにしんそばに見られる濃い口の甘さとは違い、京都ならではの繊細さが際立つ味わいです。好みで刻みネギを添えると、風味がさらに引き立ちます。
にしんそばは季節を問わず楽しめる料理です。温かいお蕎麦に甘露煮を乗せた「にしんそば」だけでなく、夏には冷たいそばににしんを添えた「冷やしにしんそば」も人気です。
にしんそばの歴史

京都の「にしんそば」の歴史は、明治時代にまでさかのぼります。発祥のお店とされるのは「松葉」で、文久元年(1861年)に初代松野与衛門が南座の隣に蕎麦屋を開業しました。その後、二代目松野与三吉が1882年(明治15年)に「にしんそば」を発案します。
「にしんそば」は、京都の食文化に深く根付いた料理です。江戸時代には冷凍技術がなかったため、魚介類は日持ちするよう干物として保存され、京都に運ばれていました。そのなかでも、北海道から北前船で届けられた「身欠きニシン」は、海から遠い京都では貴重なタンパク源として重宝されていました。
京都の人々は、米のとぎ汁で身欠きニシンを戻し、甘辛く煮込んで日常の食卓に並べていました。保存食である身欠きニシンは、朝廷への献上品にも使われるほど高級な食材であり、京都の食卓に欠かせない存在だったのです。
松野与三吉は、この「身欠きニシン」をそばと組み合わせる発想から「にしんそば」を完成させました。甘辛く炊いたニシンと、だしの効いたそばとの相性は抜群で、そのおいしさは瞬く間に洛中洛外に広まりました。
「にしんそば」は京都を代表する名物として確固たる地位を築き、大正時代には「松葉」の看板メニューとなります。特に、南座で芝居を観劇した帰りににしんそばを食べるという文化が根付き、広く親しまれるようになりました。
京都の観光スポット
にしんそばが楽しめる京都には、さまざまな観光スポットがあります。今回は、京都市にある3つの人気観光スポットを紹介します。
南座

四条大橋のたもとにある日本最古の劇場「南座」は、江戸時代初期に徳川幕府の公認を受けて営業を開始し、約400年にわたり多くの歌舞伎俳優たちが華やかな演技を繰り広げてきました。出雲阿国が「かぶき踊り」をはじめた歌舞伎の発祥地でもあります。年間を通じてさまざまな演目が上演され、特に12月の「吉例顔見世興行」は人気です。また、最近ではアニメを取り入れた新しいスタイルの歌舞伎も登場し、幅広い層に支持されています。
劇場内には幕間に食事を楽しめるお店もあり、伝統的な歌舞伎とともに老舗名店の味を堪能できます。国の登録有形文化財に指定された美しい建物を見るだけでも価値があります。
高台寺

高台寺は、慶長11年(1606年)に豊臣秀吉の正室、北政所ねねによって創建された臨済宗の寺院です。ねねは秀吉の菩提を弔うためにこの寺を建て、居城・伏見城から一部を移築した池泉回遊式庭園(国指定史跡・名勝)が魅力です。この庭園は、江戸初期の大名茶人、小堀遠州によるものです。
境内には秀吉の坐像を安置した霊屋(重要文化財)や「高台寺蒔絵」として有名な蒔絵の厨子があります。傘亭と時雨亭の茶室からは美しい京都市内の景色が一望でき、四季折々の自然も楽しめます。特に紅葉の名所として知られています。ライトアップも行われる桜や紅葉の時期には多くの観光客が訪れます。
京都国立博物館

京都国立博物館は、明治30年(1897年)に帝国京都博物館として開館し、約15,000件の日本や東洋の古美術品、考古資料を所蔵しています。シンボルである「明治古都館」は、赤レンガの美しい外観が特徴で、重要文化財に指定されています。洋風建築を学んだ片山東熊によって設計されました。
現在、明治古都館は免震改修工事のため展示を休止中ですが、2014年にオープンした「平成知新館」では平常展示と特別展が行われています。名品ギャラリーでは国宝や重要文化財を季節や行事に合わせたテーマで展示し、訪れるたびに新たな作品との出会いがあります。年に2回の特別展も見どころで、歴史好きにはぜひ訪れてほしいスポットです。
京都へのアクセス方法
グルメも観光も魅力的な京都には、さまざまなアクセス方法があります。京都市を観光するなら、電車やバスが便利です。ネットでみられる「京都観光便利マップ」には、アクセス方法やお得な乗車券の情報がかかれています。
アクセスが便利なのは京都駅です。大阪、名古屋方面から電車で京都駅に向かう場合、約30分で到着します。
車でゆっくりドライブを楽しみながら京都に向かうのもおすすめです。最適なアクセス方法を探してみてくださいね。
京都府の位置

まとめ
身欠きニシンを使ったにしんそばは、1年を通して手軽に楽しめる京都の伝統料理として、今でも多くの人々に愛されています。
京都に訪れた際は、にしんそばをぜひ食べてみてくださいね。
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