山梨県

2024/02/28

【山梨県】富士吉田市の「吉田のうどん」とは?特徴や歴史を紹介

山梨県で富士山に最も近いまち、「富士吉田市」。

江戸時代には全国有数の絹織物の産地として栄えていた地域です。そのまちで「農山漁村の郷土料理百選」にも選ばれた、「吉田のうどん」をご存じでしょうか?

今回は日々の食事から冠婚葬祭のおもてなしにも提供される「吉田のうどん」について、その魅力をたっぷりとご紹介します。

吉田のうどんとは?

強い歯ごたえとコシ、そして、太さのある麺が特徴の「吉田のうどん」は、日本一硬い麺としても知られ、みそやしょうゆを合わせた出汁をかけていただきます。具材には馬肉やゆでたキャベツをのせ、トッピングにはかき揚げ、きんぴらごぼう、生卵をのせるお店もあります。

また、赤唐辛子をベースにごまや山椒などを加えた「すりだね」という調味料をかけていただくことも多く、入れるとピリッとした辛味と旨み、そして豊かな風味が広がり、味わいに奥行きが生まれます。

すりだねは粉状のものやラー油をメインにした半液状のものなどさまざまな種類があり、お店ごとの個性が光るアイテムでもあるのです。

吉田のうどんの歴史や由来【なぜ硬いのか?】      

現在、市内を中心に40店舗以上のお店で提供されている「吉田のうどん」。その歴史は昭和初期の頃にさかのぼります。

当時、繊維業が盛んだった富士吉田市では、織物の機械を動かす仕事を女性が担当していることが多く、昼食にはその作業が止まらないように、男性が女性に代わって食事の支度をしていたことがありました。そこで男性たちが、腹持ちのよいうどんを作ろうと力強く麺を打つことで、歯ごたえやコシのあるうどんが生まれたと言われています。

また、富士吉田市は富士山の麓にある地域で、溶岩の石や降り積もった火山灰によって、稲作や農業を行うのがもともと難しい土地柄でした。そこで、雑穀栽培とともに、富士山の伏流水や川の水を活用した「水掛麦」という麦作が主流になり、そこから小麦を使った粉食文化が根付いていったと言われています。

吉田のうどんの作り方

吉田のうどんの一番の特徴といえば、何といってもその麺の硬さ。手打ちで作る乱切りの麺は、お店によってねじりや極太などの違いがあります。

ところが、その作り方はいたってシンプル。麺にコシを出すため塩を入れて練るのが特徴なんです。生地がまとまってきたら5mm程度の厚さにのばし、3つ折りにして、さらに同じくらいの幅で切ってできあがりです。

おおよそ割り箸くらいの太さに仕上げることが多く、ゆでるともっちりとした食感のうどんが完成しますよ。

吉田のうどんのおいしさと魅力

日本一とも称されるコシの強さが魅力の「吉田のうどん」。それに合わせるのは、しょうゆやみそをブレンドしたやさしくも奥行きのある出汁です。

麺は噛めば噛むほど小麦の香りと食感が楽しめ、出汁をすすることで口いっぱいその旨みが広がります。麺のコシや出汁のおいしさを存分に味わってもらうため、シンプルな味つけにして提供しているお店が多く、今やその人気は県内外から人が訪れるほどになっています。

また、もともと馬肉を食べる文化があった富士吉田市では、砂糖やしょうゆ、酒、みりんなどで甘辛く煮た馬肉が人気で、そこに地元で栽培されたキャベツをのせて仕上げます。このままでも十分おいしいのですが、「すりだね」が入ることで、ピリッとした辛味とやごまや山椒の風味豊かな香りがやさしい出汁と絶妙にマッチ。味の変化も楽しめますよ。

富士吉田市のおすすめ観光スポット

ここからは、富士吉田市の観光スポットをご紹介します。

爽快感満載のアトラクションが多数!「富士急ハイランド」

一つめは日本屈指の絶叫マシン数を誇る「富士急ハイランド」です。4つの世界記録に認定されている「FUJIYAMA」や2種類の加速が楽しめる最強コースター「高飛車」など、絶叫系のアトラクションが好きな方にはたまらないアミューズメントパークになっています。ほかにも、臨場感あふれる富士山の姿や周辺の景色の移ろいをダイナミックに感じられる「冨士飛行社」など、ジェットコースターが苦手な方でも楽しめるアトラクションがありますよ。

小さいお子様連れの方は、人気キャラクターのテーマパーク「トーマスランド」や「リサとガスパールタウン」もおすすめです。旅の思い出にいかがでしょうか?

1900年以上の歴史がある「北口本宮冨士浅間神社」

北口本宮冨士浅間神社は、富士山の世界遺産構成遺産の一つで、富士吉田を代表する神社です。1900年以上の歴史があり、富士山北口の登山道の起点にもなっています。

杉林と石の灯篭が並ぶ荘厳な雰囲気の山道を進むと、日本最大級の「富士山大鳥居」にたどり着きます。本殿の隣には、樹齢約1000年を数える「冨士太郎杉」と「夫婦ヒノキ」の巨樹があり、その生命力あふれる姿はパワースポットとしても知られています。

富士吉田市へのアクセス

ここからは、富士吉田市へのアクセスについてご紹介します。富士山が近い富士吉田市へ行くには、鉄道や高速バスを利用した移動が便利です。

東京から鉄道で行く場合は、新宿や立川などから特急「富士回遊」に乗っていくと、乗り換えなしで、河口湖まで行くことができます。(約1時間45分)また、新宿からは高速バスも運行しており、富士山駅までは約1時間50分の道のりです。

横浜駅の西口からは富士急ハイランド行きの高速バス(約2時間20分)が出ており、名古屋の名鉄バスセンターや大阪駅前からは富士駅まで直通バスが運行しています。かかる時間はいずれも4時間30分、約10時間15分ほどですが、乗り換えなしで富士吉田にアクセスできるのがうれしいですね。

山梨県富士吉田市の位置

まとめ

今回は富士吉田の名物、「吉田のうどん」をご紹介しました。

お盆やお正月、結婚式などの祝いの席でも食べられ、縁起のよい食べ物としても親しまれる「吉田のうどん」。

特有のコシの強さや出汁のおいしさ、馬肉やゆでたキャベツ、すりだねなどの地域食材、またそのおいしさがつまった一品です。ぜひ現地のお店で召し上がってみてはいかがでしょうか?

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