名古屋愛知県

2024/04/23

愛知県のご当地B級グルメ「味噌かつ」とは?特徴や歴史を紹介!

日本中で親しまれているとんかつ。とんかつといえばソースをかけるのが一般的ですが、愛知県では味噌だれをかけて食べる「味噌かつ」が愛されています。味噌かつのないお店がほとんどないほどの人気で、「名古屋めし」とよばれる料理の一つです。

そんな味噌かつの特徴と歴史について探っていきましょう。

味噌かつの特徴

揚げたてのとんかつにたっぷりの味噌だれがかった味噌かつは、コクのある豆味噌の香りが口いっぱいに広がります。ソースとは違った味わいでインパクトがあります。ついついご飯をおかわりしたくなるおいしさです。

味噌かつに使われる味噌だれは、八丁味噌などの豆味噌に砂糖やみりんを加えて甘くし、だしなどでのばして作られています。お店によってたれの配合はさまざまですが、基本的には甘辛い味付けです。

のばし具合もさまざまで、さらさら系からどろどろ系まであります。さらさら系の味噌だれは、衣によく染み込むタイプです。どろどろ系の味噌だれは、衣のサクサク感を残しながらも、味噌の味をしっかりと感じられます。

和食店ではかつおだし、洋食店ではブイヨンなどでのばしているようです。味噌だれに使われる豆味噌は、赤みがかった焦げ茶色なので赤味噌ともよばれています。見た目の色から塩辛そうに感じますが、食べてみれば甘みがあり、赤味噌の香りが口に広がる豊かな風味です。

味噌かつに欠かせない豆味噌

味噌かつには、愛知の味噌ともいえる豆味噌をベースにしたたれがかかっています。おもに東海地方(愛知県・三重県・岐阜県)で生産されている豆味噌は、とくに愛知県で多く生産されています。

豆味噌の歴史は古く、西暦730年には、現在の愛知県西部の尾張国から朝廷に献上されたという記録が残っています。その後、平安時代には、都であった平安京に味噌専門店があったといわれています。

米や麦でつくった麹と、蒸したり茹でたりした大豆と塩をあわせて作る米味噌と麦味噌とは違い、豆味噌は大豆を直接麹にして作られます。蒸した大豆をつぶして丸め味噌玉にし、そこにコウジカビを繁殖させると、豆麹ができます。豆麹に塩と水を加えれば、豆味噌の完成です。

シンプルな材料で作られる豆味噌は、甘みが少なく、旨みとコクのある濃厚な味わいです。米味噌などは煮ると香りが飛んでしまいますが、豆味噌は煮込めば煮込むほど香りが立ち、おいしくなります。

また、豆味噌はお肉や魚介と相性がよく、お互いの味を引き出すといわれています。濃厚でコクのある豆味噌がとんかつと相性抜群なのにも納得です。味噌かつは、ソースとは違った味わいでとんかつを楽しめる魅力的な料理です。

味噌かつの歴史

味噌かつの発祥については、さまざまな説がありますが、代表的なものを2つ紹介します。

屋台から誕生した説

終戦直後、屋台で串かつをつまみにしてお酒を楽しんでいたお客さんが「どて煮」の味噌に串カツをひたして食べていたのが、味噌かつのルーツといわれています。

そして「串かつを揚げおきしておくと冷めてしまうので、味噌をつけて温めましょうか?」と提案したのが、昭和23年(1948年)創業の「當り屋」の店主です。

味噌をつけて食べる串かつが評判となり広まっていき、とんかつに味噌をつける味噌カツが誕生したといわれています。

天丼から誕生した説

昭和24年(1949年)創業の「味処 叶」が、天丼をヒントに味噌かつを作りました。当時浅草で蕎麦屋を営み天丼を提供していた店主が、終戦と同時に名古屋に帰ってきます。そして、天丼のたれをヒントに「醤油でできるなら、味噌でもできるはず」と、名古屋の名物である八丁味噌を使ったたれをかけたことがはじまりです。

「味処 叶」は当時、おもに割烹料理をしていたので、ランチ限定で味噌かつ丼を提供していました。ですが、お店にはメニューすらなく、注文はお客さんの口頭でした。味噌かつ丼を考えた本人もよび方を決めかねていて、ちゃんとした名称がありませんでした。

そのため、お客さんに毎回「お味噌のかつ丼でよろしいですか?」たずねていました。そんなある日、お客さんが「味噌かつ丼」と略して注文したことで「味噌かつ」という名称が誕生し、広まっていきました。現在「味処 叶」では、味噌カツ丼にたまごをのせて提供しています。

愛知県名古屋市の観光情報とアクセス方法

深川めしが食べられる愛知には、さまざまな観光スポットがあります。愛知県で有名な観光スポットといえば「名古屋城」。

「名古屋城」は、慶長15年(1610年)に築城されました。昭和20年(1945)5月に起きた名古屋空襲により、建造物のほとんどは消失されましたが、昭和34年(1959年)には、金のシャチをいただく五層の大天守閣と小天守閣が再建されました。

名古屋城の本丸御殿は見どころたっぷりで、復元された400年前の障壁画は、息を呑む美しさです。日本100名城に選定され、国の特別史跡に指定されている名古屋城は、「名城」、「金鯱城」、「金城」ともよばれています。

名古屋城のすぐ近くには「金シャチ横丁」もあります。金シャチ横丁には、味噌かつはもちろん、ひつまぶしや名古屋コーチンの親子丼などの名古屋めしが集結しています。食べ歩きにおすすめの観光スポットです。

グルメも観光も魅力的な愛知には、名古屋空港があり、沖縄からでも約2時間で到着します。東京からJRで向かう場合は約1時間40分。大阪や京都からJRで向かう場合は、1時間以内に到着できます。

車でゆっくりドライブを楽しみながら愛知に向かうのもおすすめです。最適なアクセス方法を探してみてくださいね。

まとめ

味噌かつは、愛知で代表的な豆味噌をベースにしたたれがかかっているとんかつです。とんかつと味噌だれという組み合わせは、ご飯と相性抜群で箸が進みます。お店によって味噌だれの味わいやとんかつの形が違うので、食べ比べる楽しみもあります。

愛知に訪れた際は、味噌かつをぜひ食べてみてくださいね。

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