東京都

2024/04/15

東京のご当地B級グルメ「深川めし」とは?特徴や歴史を紹介!

農林水産省郷土料理100選に選ばれている「深川めし」。また深川めしは、忠七めし、さよりめし・かやくめし・うずめめしと並ぶ、日本五大名飯にも選ばれています。

そんな深川めしの特徴や歴史について探っていきましょう。

深川めしの特徴

「深川めし」は、生のあさりとざっくり切ったねぎを味噌で煮込み、汁ごとご飯にかけたものです。深川丼ともよばれています。

深川めしの作り方は簡単です。沸騰したお湯に味噌を溶かしたら、あさりを入れて煮込みます。そこにネギを入れてサッと煮たら、あとはご飯にかけるだけ。お茶漬けのようにサラッと手軽に食べられる深川めしは、地元の人々に親しまれています。噛むとじゅわっとあさりの旨みが口いっぱいに広がります。

そんな深川めしには、もう一つの食べ方があります。ご飯にぶっかける食べ方ではなく、あさりとご飯を炊き込むタイプです。現在は、炊き込みご飯の深川めしを提供しているお店が多いようです。

深川めしに欠かせないあさりには、肝機能を高め、代謝促進の効果が期待できるタウリンやビタミンB12がたっぷり含まれています。また味付けに使われる味噌には鉄分が多く含まれ、ねぎには鉄分の吸収を助けるビタミンCがたっぷり含まれています。手軽に栄養補給できる深川めしは、貧血が気になる方にもおすすめです。

深川めしの歴史

深川めしは、名前の通り深川で江戸時代に誕生した料理です。現在の江東区永代、佐賀あたりの南方は、深川浦とよばれていました。潮が引けば砂が露出する砂州が広がり、あさりやはまぐり、あおやぎ(バカ貝)が豊富に獲れる漁師町として有名でした。特にたくさん摂れる良質なあさりは、深川名物とされ、あさりを「深川」とよんでいたともいわれています。

深川の漁師たちが仕事の合間に食べていたまかないの「ぶっかけめし」が深川めしのルーツといわれています。当時、漁師たちは、海水を真水でうすめて沸かし、あさり、ねぎ、豆腐を煮た澄まし汁を冷や飯にかけて食べていたといわれています。また、塩茹でしたアオヤギをご飯にのせて食べていたという話もあります。忙しい漁の合間にサッと作れ、栄養価が高くおいしい「深川めし」は、漁師の日常食として、長く親しまれていました。

その後、手軽に作れる深川めしは屋台や一膳飯屋でも出されるようになり、広まっていきます。家庭ではあさりを入れた「炊き込みご飯」がお袋の味として食べられていました。あさりの旨みをたっぷり吸い込んだ炊き込みご飯は、新鮮なあさりが安価で手に入る深川ならではの家庭料理です。あさりの炊き込みご飯は、大工などの職人が弁当に持っていけるように考えられたものだといわれています。

親しまれていた深川めしですが、昭和37年の漁業権が放棄されたことによって漁師がいなくなったことをきっかけに、次第に深川めしの光景が失われていきました。ですが、昭和60年前後に芭蕉記念館や深川江戸資料館ができたことで、深川に再び観光客が訪れるようになります。

このことをきっかけに、日常的に食べられていた「ぶっかけめし」や「炊き込みご飯」を復活させようと、深川めしを出すお店が増えていきました

東京都江東区の観光情報とアクセス方法

深川めしが食べられる江東区には、さまざまな観光スポットがあります。江東区で人気の観光スポット「富岡八幡宮」と「清澄庭園」を紹介します。

「富岡八幡宮」は、東京都江東区富岡にある神社で、寛永4年(1627年)に創建されました。「江戸最大の八幡さま」「深川の八幡さま」とよばれ親しまれています。毎年8月15日ごろに行われる祭礼「深川八幡祭り」は、江戸三大祭りの一つといわれています。また江戸勧進相撲が発祥した神社で、境内には「横綱力士碑」など相撲にまつわる石碑がたくさんあります。

「清澄庭園」は、東京都江東区清澄にある日本庭園で、東京都の名勝に指定されています。泉水、築山、枯山水を主体とした「回遊式林泉庭園」です。庭園の西側に隣接する敷地は開放公園とされていて、春はお花見の場としても人気です。この地の一部は、江戸時代の豪商・紀伊国屋文左衛門の屋敷跡と伝えられています。

グルメも観光も楽しめる江東区は、東京ディズニーランドから電車で約1時間の場所にあります。アクセスも便利なので、東京を観光する際は江東区にも訪れてみてはいかかでしょうか。

車でゆっくりドライブを楽しみながら向かうのもおすすめです。最適なアクセス方法を探してみてくださいね。

まとめ

漁師飯から生まれた「深川めし」。一度はその文化が失われかけますが、地元の人々の力によって、また親しまれるようになりました。

そして現在では、日本五大名飯のひとつに選ばれています。深川めしは、さまざまなお店で提供されるようになり、バリエーションが広がっています。新鮮な生のあさり、ざっくり切ったねぎ、コクのある味噌の旨みがご飯に染み渡る深川めしは、現代にも残る江戸の伝統食です。

東京に訪れた際は、深川めしをぜひ食べてみてくださいね。

\ テンポススター加盟店を募集中! /