宮城県

2024/04/22

宮城のご当地B級グルメ「白石うーめん」とは?特徴や歴史を紹介!

宮城県の南部にある白石市周辺で長く愛され続けているうーめん。見た目はそうめんに似ていますが、材料や作り方、風味など、さまざまな違いがあります。

そんな白石うーめんの特徴や歴史について探っていきましょう。

白石うーめんの特徴

白石うーめんは一般的なそうめんと似ていますが、さまざまな違いがあります。そうめんは麺と麺がくっついたり乾燥を防いだりするために油をぬりますが、うーめんは油を使わずに小麦粉と塩、水のみで作ります。保存料や添加物が一切使われていないので、安心して食べられる食品です。

形状もそうめんと少し違い9cmと短めです。つゆがハネることも少なく、喉ごしがいいのも特徴です。また、そうめんより0.3㎜ほど太いので伸びにくく、より小麦の風味を感じられます。

うーめんは、漢字で「温麺」とかきますが、そうめんのように冷やしてもおいしく食べられるので、一年中楽しめるのも魅力です。いつでも好きなときに食べられる便利な乾麺は、地元の人々に親しまれています。短いので小さな鍋でもゆでやすく、さまざまな料理にも使われています。

白石うーめんの作り方と楽しみ方

白石うーめんは、小麦粉、塩、水のみといったシンプルな材料で作られます。材料をまぜてこねた生地は、ロールで所定の厚さに延ばして切り出します。棒にかけて乾燥させた麺を9cmにカットすれば完成です。機械を使わず、職人一人ひとりの手によって作られる製法も受け継がれています。

湿気に弱い乾麺は、直射日光を避け常温で、湿気のない場所で保管されます。一束ずつ紙で巻かれているのも、湿気を取り除くためです。

うーめんを食べるときは、たっぷりのお湯で3分ほどゆで、ざるにうつしたら冷水でぬめりをとり、しっかり水気を切ります。うーめんはクセがないので、醤油ベースのつゆのほか、ごまだれやくるみだれにもよく合います。

ちなみに、宮城県南部を中心にお彼岸やお盆で食べられる「おくずかけ」にも白石うーめんが使われています。おくずかけとは、野菜や豆腐、油揚げや豆麩などをしいたけのもどし汁で煮込み、白石うーめんを加えてくず粉や片栗粉でとろみをつけた郷土料理です。伝統的な食べ方だけではなく、冷やしてサラダに使ったり、焼きそば風に炒めたりといったアレンジも楽しまれています。

白石うーめんの歴史

白石うーめんが誕生したのは、今から400年ほど前の江戸時代初期です。白石城の城下に住んでいた鈴木浅右衛門が、胃を病んで何日も絶食しなけいといけない父親を心配して、旅の僧から聞いた油を使わない胃に優しい麺を作ったのがはじまりです。また、食べやすいように麺を短くして作ったといわれています。

温かい麺を食べた父親は、症状が良くなっていったそうです。この話を聞いた白石城の城主である片倉小十郎は、浅右衛門の父を想う温かい思いやりの気持ちから、温麺(うーめん)と名付けました。このできごとを称え、浅右衛門は「味右衛門」と名乗ることを許されました。

白石うーめんの由来は、このほかにもあります。うーめんは、もともと「おんめん」だったともいわれているのです。浅右衛門が献上した麺を、片倉小十郎は「うまい、うまい」といいながら食べ、温麺(おんめん)と名付けました。

ですが、うれしい気持ちでいっぱいだった鈴木浅右衛門は、家に帰ったころには名前を忘れてしまっていたそうです。そのとき、片倉小十郎が「うまい」といっていたことを思い出します。そして必死に考え「うまい麺……、うー、うまい麺……、うーめん!」というふうになり「うーめん」とよばれるようになったという説です。

そんなうーめんは、近隣からも望まれ製造販売されるようになりました。白石川を流れるきれいな水、温暖な気候と乾いた清澄な空気などが麺作りに適していたことから、白石の名産品として定着していったのです。油を使わない伝統的な製法で作るうーめんは、秋田県稲川町にも伝わり稲庭うどんとなったともいわれています。

400年以上前から宮城県の白石市で親しまれているうーめんは、全国乾麺協同組合連合会の産地指定も受けています。また、白石市では「奥州白石温麺振興条例」により、毎月7日は「白石温麺の日」とされています。

「白石うーめん体操」もあり、市内の保育園や幼稚園、イベントなどで親しまれています。白石商工会議所では、温麺、和紙、葛の「白石三白」を新たな地域ブランドとするプロジェクトに取り組み、商品開発や情報発信を行っています。

宮城の観光情報とアクセス方法

うーめんが食べられる白石市は、宮城蔵王の玄関口です。白石城や材木岩公園、碧玉渓などさまざまな観光スポットがあり、桜の名所としても有名です。白石市のシンボルである白石城では、甲冑体験ができます。本物のお城のなかで甲冑が着られるのは白石城だけです。子どもにも大人にも人気の観光スポットです。

グルメも観光も楽しめる白石市は、東京から新幹線で約2時間のところにあります。新千歳空港や中部国際空港、関西国際空港から仙台空港までの到着時間は約1時間です。仙台空港から白石駅までのアクセス方法は新幹線や自動車があり、約1時間で到着します。

白石市は、仙台市、福島市、山形市の中間あたりにあることから、アクセスが良く交通網も整備されています。車でゆっくりドライブを楽しみながら宮城に向かうのもおすすめです。最適なアクセス方法を探してみてくださいね。

まとめ

油を使わずに、小麦粉、塩、水のみで作る白石うーめんは、胃に優しく食べやすいので子どもからお年寄りまで多くの人々に親しまれています。

クセがなくアレンジしやすい白石うーめんは、さまざまなお店で提供されています。たっぷりの肉みそをトッピングしたうーめんや、広島風お好み焼きのうーめんバージョンなど個性的なメニューもあります。

宮城に訪れた際は、白石うーめんをぜひ食べてみてくださいね。

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