岐阜県

2024/05/07

岐阜のご当地B級グルメ「漬物ステーキ」とは?特徴や歴史を紹介!

漬物ステーキは、岐阜県の飛騨地方の郷土料理です。家庭だけでなく、郷土料理店や居酒屋のメニューなどでも親しまれているご当地B級グルメです。

名前から想像すると「ただ漬物を焼いただけなのでは?」と思いますが、そんなことはありません。漬物ステーキは名前から想像できないユニークな料理です。

そんな漬物ステーキの特徴や歴史について探っていきましょう。

漬物ステーキの特徴

漬物ステーキは、白菜の漬物を焼いて味付けし、たまごでとじるシンプルな料理です。たまごでとじられているので、食べ応えがあり、ご飯にもあいます。

漬物ステーキは家でも簡単に作れるので、作り方を紹介します。まずは下準備しましょう。白菜の漬物は、水で洗ってある程度塩を抜き、水気を絞ったら2〜3cmにカットしておきます。次はボウルにたまごを2個入れて溶きほぐしておきます。

下準備ができたら、フライパンにごま油やバターを入れ、白菜の漬物を中火でじっくり炒めましょう。軽く焦げ目がついたら弱火にし、だしや醤油などで味付けします。次は、白菜の漬物を中央に寄せて、溶きたまごをまわし入れましょう。たまごが半熟の状態になったらお皿に盛り、かつお節や小口ネギ、紅しょうがなどをかければ完成です。

お好みで玉ねぎや人参を入れたり、シーチキンを入れたりとアレンジを楽しんでいる方もいます。味付けも醤油ではなく味噌を使う方もいます。自分で作ってもおいしい漬物ステーキですが、お店で地酒といっしょに味わうのもおすすめです。

漬物ステーキの歴史

岐阜県の北部にある飛騨地方は、山々に囲まれた地域です。1年を通して冷涼な気候で、冬は寒さが厳しくなります。そんな冬でも野菜を食べられるように、地元の人々は白菜の漬物を常備食にしていました。漬物は、極寒の冬の貴重な食料でしたが、寒さで凍ってしまいます。そこで、囲炉裏に朴葉を敷き、漬物を温めながら食べていました。

ですが、ご飯と味噌汁と漬物だけだと質素な食卓で、食べるのも作るのも飽きてしまいます。そこで主婦たちは、炒めた白菜の漬物にたまごをまぜ、だしや醤油で味付けをして、おかずの一品として作りました。こんなふうに主婦たちの創作料理によって誕生したのが漬物ステーキだといわれています。

焦げ目を付けた白菜の漬物を、だしや醤油で味付けをし、たまごでフワッととじる。さらにかつお節や小口ネギ、紅しょうがなどをかけた漬物ステーキは、ご飯だけでなくお酒にもぴったりの料理でした。漬物ステーキは、発酵が進み酸っぱくなった漬物の調理法にも最適でした。

漬物ステーキにまつわる話

漬物ステーキは、白菜の漬物で作られていますが、以前は赤かぶの漬物が使われていたともいわれています。白菜や大根、きゅうりなどさまざまな野菜で作られている漬物ですが、そのなかでも、雪や霜に強いのが赤かぶの漬物です。

「赤かぶ漬け」には、1918年(大正7年)に、八賀かぶから紅色の突然変異株が発見されて誕生した「飛騨紅かぶ」が使われます。やわらかく大きな飛騨紅かぶは、ほのかな酸味があり独特の味わいです。

山に囲まれている飛騨地方で、貴重な塩を節約するために生まれた江戸時代以来の伝統製法であるといわれています。鮮やかな紅色の赤かぶ漬けで漬物ステーキを作ると、華やかな見た目になります。

今では見ることも少なくなりましたが、飛騨地方では11月になると長い冬に備え、食卓になくてはならない漬物を作るために、漬物用の白菜やかぶなどの大量の野菜を川で洗う「菜洗い」が行われていました。「菜洗い」が行われる光景は、飛騨地方に冬の訪れを告げる「初冬の風物詩」といわれていました。

10〜12月上旬に収穫される飛騨紅かぶも、この時期から漬け込みがはじまり、寒さのなかで熟成し、冬に欠かせない常備菜となります。

岐阜県飛騨市の観光情報

漬物ステーキが食べられる岐阜県飛騨市には、さまざまな観光スポットがあります。人気の観光スポットの「瀬戸川と白壁土蔵街」と「天空の牧場 奥飛騨山之村牧場」を紹介します。

瀬戸川と白壁土蔵街

「瀬戸川と白壁土蔵街」は、高山の奥座敷と称される歴史情緒あふれる古い町並みです。白壁土蔵やお寺の石垣を背景に、1000匹あまりの色鮮やかな鯉が泳ぐ瀬戸川は、人気の散策スポットです。飛騨牛コロッケなどを販売しているお店もあるので、食べ歩きもできます。

天空の牧場 奥飛騨山之村牧場

「天空の牧場 奥飛騨山之村牧場」は、標高1,000mの大自然のなかにあります。動物とふれあうだけではなく、ポニーの引場乗馬体験や乳しぼり体験などを楽しめます。また、アイスクリームやバター、パン作り体験など、さまざまな体験ができる人気の牧場です。レストランで食べられる搾りたてのジャージー牛乳から作られる濃厚なソフトクリームは絶品です。

岐阜県飛騨市へのアクセス方法

グルメも観光も魅力的な岐阜県飛騨市。日本三大都市からも近く、さまざまなアクセス方法があります。 

東京駅から電車で飛騨古川駅に向かう場合は、約4時間で到着します。大阪駅からは約3時間30分です。名古屋駅からは約2時間30分で到着します。所要時間は、時間帯や天気などによっても変わります。

車でゆっくりドライブを楽しみながら向かうのもおすすめです。最適なアクセス方法を探してみてくださいね。

まとめ

主婦の創作料理から誕生したといわれている「漬物ステーキ」。漬物をそのまま食べるのではなく、焼いて味付けし、卵でとじる変わった料理です。

漬物からうまれたシンプルな料理ですが、ご飯もお酒もすすむ一品で、地元の人々に親しまれています。

岐阜に訪れた際は、漬物ステーキをぜひ食べてみてくださいね。

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