石川県

2024/10/25

石川のご当地B級グルメ「いしる鍋」とは?特徴や歴史を紹介!

いしる鍋は、石川県の冬を彩る郷土料理の一つで、特に能登半島で親しまれています。寒い季節に体の芯まで温めてくれるこの鍋は、地元の人々にとって欠かせない存在です。

そんないしる鍋の特徴や歴史について探っていきましょう。

いしる鍋の特徴

いしる鍋は、能登半島特有の「いしる」とよばれる特別な魚醤を使った料理です。いしるは「しょっつる」や「いかなご醤油」と並ぶ、日本三大魚醤の一つで、その豊かな旨みがいしる鍋の魅力を最大限に引き出しています。

いしるは魚の内臓を発酵させて作る調味料で、地域によって原料となる魚が異なります。外浦側ではイワシやサバなどを使って作る「いしり」、内浦側では真イカの内臓を発酵させた「いしる」があります。特に真イカを使った「いしる」は、能登ならではの深い風味が特徴です。最近では、これらを総称して「いしる」とよばれることが多くなっています。

いしる鍋は、昆布だしや水でいしるを薄め、野菜を煮込んでから魚介やお肉を加えるだけで簡単に作れます。具材に決まりはなく、魚介類や肉類、白菜や椎茸など自由に組み合わせて楽しめます。ネギやわかめを加えると、さらに能登の風味が際立つでしょう。

鍋が煮えると、いしるの香ばしい香りが広がり、食欲をそそります。シンプルな調理法にもかかわらず、いしるのコク深い味わいが鍋全体を包み込み、驚くほどのおいしさです。能登半島の豊かな風土と伝統が育んだこの料理は、地元の人々だけでなく、訪れる人々にも愛され続けています。

いしる鍋の歴史

いしる鍋の味の決め手となる「いしる」は、石川県能登地方に古くから伝わる魚醤です。その名前は「魚汁(うおしる)」がなまったもので、地域によっては「いしり」や「よしる」ともよばれます。

能登半島では、魚やイカを使った魚醤油が昔から作られてきました。いしるの起源には諸説ありますが、少なくとも1700年代の江戸中期には存在していたことが確認されています。魚醤の歴史は古く、古代ローマの「ガルム」や、中国の紀元前700年頃の発酵調味料が知られています。

日本でも、弥生時代に塩漬けの保存技術が発展し、魚醤が生まれたと考えられています。能登のいしるは地域によって使う魚が異なり、風味もさまざまです。かつては山間部の人々が魚の代わりにいしるを求め、米と交換するほど貴重な調味料でした。

魚の旨みが凝縮された深い味わいのいしるは、隠し味としてだけでなく、冬の定番「いしる鍋」に欠かせません。旬の魚介や野菜をいしるで煮込むだけで、鍋全体に豊かな風味が広がります。昆布だしを合わせると、さらにおいしさが引き立ちます。

能登地方で長い年月をかけて育まれた「いしる」は、今でも地元の人々に愛され、伝統の味として受け継がれています。

石川の観光スポットとアクセス方法

いしる鍋が楽しめる石川には、さまざまな観光スポットがあります。今回は、石川県金沢市にある3つの人気観光スポットを紹介します。

兼六園

「兼六園」は水戸の偕楽園、岡山の後楽園と並ぶ日本三名園の一つです。兼六園は、江戸時代の代表的な大名庭園として、加賀歴代藩主により、長い歳月をかけて形づくられてきました。兼六園は、広大な土地に、池、築山、御亭を配置した「廻遊式」の庭園です。

兼六園は、四季折々の美しさを楽しめる庭園として、多くの観光客に親しまれています。また、兼六園では定期的にライトアップのイベントを開催していて、昼間とは違った幻想的な空間を楽しめます。このほかにも、夏ごろに行われる「ホタル観賞会」や秋ごろに名月を楽しむ「長月の段」なども見どころです。

ひがし茶屋街

金沢を代表する「ひがし茶屋街」は、江戸時代の風情を色濃く残す美しい街並みが魅力の観光スポットです。紅殻格子の茶屋や石畳の小道が続き、まるでタイムスリップしたかのような感覚を楽しめます。

このエリアは国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、歴史的建造物が数多く保存されています。かつて芸妓が訪れる人々をもてなした茶屋文化の象徴である「志摩」や「懐華樓」も公開され、当時の華やかな雰囲気を感じることができます。現代では、カフェやおしゃれな土産店も軒を連ね、着物をレンタルして散策する観光客に人気です。

近江町市場

「近江町市場」通称「おみちょ」は、金沢の台所として約300年にわたり親しまれている市場です。享保6年(1721年)に加賀藩の御膳所として始まり、今では約180店舗が軒を連ね、日本海の新鮮な魚介や加賀野菜、漬け物、お菓子などさまざまな食材がそろいます。

市場内は威勢のいい呼び込みの声が飛び交い、活気に満ちた雰囲気が魅力です。食べ歩きが楽しめるコロッケやフルーツ、地元のお寿司や海鮮丼は観光客に大人気です。さらに、近江町いちば館の飲食店街では、新鮮な地元食材を使った料理も味わえます。朝から営業している店舗も多く、早朝の海鮮丼や金沢おでんは絶品です。

石川県へのアクセス

グルメも観光も魅力的な金沢市は、アクセスが便利な場所にあります。東京、名古屋、大阪の3大都市圏からも新幹線を利用すれば約2時間30分で到着します。

車でゆっくりドライブを楽しみながら石川に向かうのもおすすめです。最適なアクセス方法を探してみてくださいね。

石川県の位置

まとめ

いしる鍋は、能登の豊かな自然と歴史が生んだ、冬の定番料理です。シンプルながらも奥深い味わいは、いしるが生み出す豊かな旨みの恵みです。

石川県に訪れた際は、いしる鍋をぜひ食べてみてくださいね。

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