沖縄県

2024/11/19

沖縄のご当地B級グルメ「中身汁」とは?特徴や歴史を紹介

沖縄の伝統料理「中身汁」は、祝いの席に欠かせない特別な一品です。家庭から高級料理まで幅広く愛されている中身汁には、沖縄の食文化における深い歴史と知恵が詰まっています。

そんな中身汁の特徴と歴史について探っていきましょう。

中身汁の特徴

中身汁は、豚肉の内臓を使ったお吸い物です。「脂っこそう」といったイメージを持つ方もいるかもしれませんが、中身汁は丁寧に下処理されています。新鮮な豚の胃や腸は、おからや小麦粉でしっかりと揉み洗いされ、繰り返し湯通しされることで余分な脂や臭みを取り除きます。この手間をかけることで、上品でさっぱりとした味わいに仕上げています。

味の決め手は、かつおだしや豚だしをベースにしたすまし汁です。澄んだだしでじっくり煮込むことで、豚の内臓が持つ自然な旨みが引き出され、醤油と塩でシンプルに味付けされています。ショウガやネギを加えることでさわやかな香りが加わり、全体の味が引き締まります。沖縄特有の香辛料「ヒハツ」を使うこともありますが、今ではショウガが定番となっています。

中身汁は、独特な食感も魅力です。丁寧に下処理された中身(内臓)は短冊状に切られ、噛むたびにプニッとした弾力が感じられます。干しシイタケやこんにゃくを加えることで、異なる食感が楽しめるため、飽きの来ないおいしさが魅力です。

中身汁以外にも、沖縄の食卓には「中身」を使ったさまざまな料理があります。たとえば「中身そば」は、沖縄そばに中身をトッピングしたもので、そばのスープと中身の風味が絶妙に絡み合います。また「中身イリチー」という、野菜と一緒に炒めた料理も人気で、家庭料理ならではの温かさと豊かな味わいが楽しめます。

中身汁の歴史

沖縄では「豚は鳴き声以外すべて食べる」といわれるように、豚肉を大切にする文化が根付いています。特に、豚肉が高価な食材であったため、内臓も無駄にせず、さまざまな料理に工夫して使われています。中身汁もその一つです。内臓の独特な風味を活かし、丁寧に下処理を施した上品なすまし汁に仕上げることで、豚の旨みを余すことなく楽しめる料理となりました。

中身汁の起源は15世紀の琉球王朝時代にさかのぼります。この時代、沖縄は中国や日本、東南アジアとの交易が盛んで、その影響を受けて豊かな食文化が生まれました。中身汁は琉球料理の一つで、王宮での外交儀式や冊封使をもてなす「宮廷料理」として発展しました。

王家や貴族の祝い膳「五段のお取持ち」の三の膳に中身汁が含まれていたことから、その格式の高さがうかがえます。この「五段のお取持ち」は昭和初期まで那覇や首里の上流階級の結婚式や成人祝いで提供された豪華な料理で、30品以上の多彩な料理が並ぶ贅沢なもてなしでした。

琉球王朝時代から受け継がれる沖縄のもてなしの心は、親族や地域との絆を重視し、外国からの客人をもてなす際にも表れています。中身汁は手間を惜しまずに作る特別な料理として、祝いの席や大切な行事で振る舞われ、今も「おもてなしの心」を象徴しています。

かつては正月や祝い事、法事などの特別な席で振る舞われていましたが、現在では家庭でも簡単に作れる料理として親しまれています。沖縄の料理店では会席料理の一品として提供されるほか、レトルト商品としても販売されています。

沖縄の観光スポット

沖縄には、魅力的な観光スポットがたくさんあります。今回は、沖縄にある3つの人気観光スポットを紹介します。

残波岬

沖縄本島最西端に位置する「残波岬」は、自然の壮大さを全身で感じられる絶景スポットです。高さ約30mの断崖絶壁が約2kmにわたり続き、目の前に広がる青い海と空、そして真っ白な灯台が沖縄ならではの風景を演出します。夕暮れ時には、美しいサンセットが海を染め上げ、ロマンチックな雰囲気を堪能できます。岬の広場には、高さ8.75mのシンボル「残波大獅子」が鎮座しており、迫力ある記念写真スポットとしても人気です。

また、周辺にはリゾートホテルやカフェ、バーベキュー施設があり、ヤギのエサやり体験も楽しめます。全国でも数少ないのぼれる灯台があり、天気のいい日には周囲の離島を見渡すことができます。

玉泉洞

沖縄の南城市にある「玉泉洞」は、約30万年の時を経て自然が作り上げた神秘的な鍾乳洞で、おきなわワールドの目玉スポットです。おきなわワールドは、熱帯フルーツ園や伝統工芸体験、スーパーエイサーショーなど、沖縄の文化と自然を満喫できる観光スポットです。

「玉泉洞」は、全長5,000mを誇る国内最大級の規模で、公開されている890mのエリアでも、100万本以上の鍾乳石が訪れる人々を魅了します。ゆっくりと成長する鍾乳石は、3年でたった1mmしか伸びないため、その美しさには長い歳月の重みが感じられます。洞内の「青の泉」は幻想的なライトアップが施され、滴り落ちる水音とともに神秘的な雰囲気を楽しめます。

ビオスの丘

沖縄の自然を全身で楽しめる「ビオスの丘」は、亜熱帯の動植物と触れ合う体験型テーマパークです。沖縄そばやタコライスなど地元グルメを味わえるレストランもあり、一日中遊び尽くせる観光スポットです。

園内では、人気の「湖水観賞舟」で亜熱帯植物やランの花を眺めながら湖をクルーズしたり、初心者でも安心して楽しめるカヌーやSUPで湖面を探検したりと、さまざまなアクティビティを楽しめます。ゆったりと進む水牛車に乗れば、のどかな園内をのんびりと散策できるのも魅力。高さ5mの特大ブランコや巨大ジャングルジムで体を動かしたり、小動物やシダ植物の観察をしたりと、自然の恵みを体感することができます。

沖縄へのアクセス方法

沖縄本島に向かうには、全国各地から運航している那覇空港への直行便を利用するのが便利です。直行便の所要時間を紹介します。所要時間は、季節や天気などによって変わります。

北海道・東北エリアから沖縄本島(那覇空港)へ
・新千歳空港から約3時間45分
・仙台空港から約3時間15分

関東エリアから沖縄本島(那覇空港)へ
・羽田空港から約2時間45分
・成田空港から約3時間
・茨城空港から約3時間

中部エリアから沖縄本島(那覇空港)へ
・中部国際空港から約2時間30分
・新潟空港から約3時間
・小松空港から約2時間45分
・静岡空港から約2時間45分

近畿エリアから沖縄本島(那覇空港)へ
・関西国際空港から約2時間15分
・伊丹空港から約2時間15分
・神戸空港から約2時間15分

中国エリアから沖縄本島(那覇空港)へ
・岡山空港から約2時間
・広島空港から約1時間45分
・岩国空港から約1時間45分

四国エリアから沖縄本島(那覇空港)へ
・高松空港から約2時間
・松山空港から約1時間45分

九州エリアから沖縄本島(那覇空港)へ
・福岡空港から約1時間45分
・北九州空港から約1時間45分
・熊本空港から約1時間30分
・長崎空港から約1時間30分
・宮崎空港から約1時間30分
・鹿児島空港から約1時間30分
・奄美空港から約1時間
・沖永良部空港から約50分
・与論空港から約40分

沖縄県の位置

まとめ

豚肉を余すところなく使うという昔からの考え方や、手間を惜しまない中身汁の調理法から、食材への感謝やおもてなしの心が感じられます。

見た目に少し驚くかもしれませんが、シンプルな具材を活かして作られた中身汁は、丁寧に煮込まれた豚の内臓が上品なだしと一体となり、滋味深い味わいを楽しめる料理です。

沖縄に訪れた際は、中身汁をぜひ食べてみてくださいね。

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