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2025/02/11
「哲学の道」はどんな場所?哲学者の愛した古きよき小道で楽しむ、桜のトンネル

この記事の目次
哲学の道は、琵琶湖からの疏水分線沿いの約2kmにわたる小道で、日本を代表する哲学者で、京都帝国大学にて哲学を研究した西田幾多郎や田辺元西田幾多郎や、その弟子たちが哲学について想いを馳せながら歩いたことにちなみ、その名前がつけられました。
春になると約400本の桜が咲き、水面に映る桜の美しさや、桜吹雪の美しさが評判の、京都の人気お花見スポットです。
「哲学の道」の桜の特徴
哲学の道は、銀閣寺の参道から永観堂付近まで延びる、京都でも人気の散歩道です。
近くには京都の観光スポットが数多くあることから、季節を問わずに多くの観光客や、地元の方々が散策する道となっていますが、狭い道路であるということもあり、桜の開花時期にはとても混雑していますので、早朝の散策がベストです。
見どころ①水路にかかる桜のトンネル

哲学の道では、疏水分線に沿って約400本の桜が植えられています。
品種は主にソメイヨシノで、このソメイヨシノは、日本画家の橋本関雪(1883〜1945)によって寄贈された桜を起源としていることから、「関雪桜(かんせつざくら)」という相性でも呼ばれています。
水面に向かって伸びる枝に桜の花が咲くと、トンネルのように美しく続く小道が出現し、多くの方々が桜を見上げながら、お花見を楽しんでいます。
天気の良い日は、水路に桜の花が映る様子を楽しむことができるほか、満開を過ぎてからは桜の花びらが儚げに舞い、水路を鮮やかなピンク色に染め上げる様子が美しいと評判です。
見どころ②日本の風情を感じる小道

哲学の道は、場所によっては2人が並んで歩くこともままならないほど、昔の日本の趣きを残した道路です。
風情ある石畳の道路の脇には、いくつかの飲食店やお土産物屋さんも立ち並んでおり、ゆっくりと現地の方との交流を楽しみながら、お花見を楽しめる場所として人気を集めています。
ゆっくりとスケッチを楽しむ方や、思い思いに写真を撮る方なども多く、
人混みを避けたいのであれば、近隣店舗の営業時間である10時〜17時頃を避けて、散策してみてくださいね。
見どころ③一斉に満開になる桜の木々

哲学の道に植えられている桜は約400本で、その大半がソメイヨシノです。
同じ品種の桜が多く植えられているので、延々と続く並木の桜が一斉に咲き誇り、まるで散歩に訪れた人々を歓迎するかのように、小道に向かって桜のトンネルをつくる様子は、「圧巻」の一言です。
周辺が住宅街であるため、夜間のライトアップや屋台の出店のようなイベントはありませんが、心穏やかに桜を眺め、日本の春を感じるには最適のお花見スポットだといえます。
「哲学の道」の桜の見頃
哲学の道の桜はソメイヨシノが中心なので、4月上旬に見頃を迎えます。
2024年の見頃は4月7日頃の満開のタイミング、2023年の見頃は3月31日頃の満開のタイミングでした。
「哲学の道」の所在地
京都府京都市左京区浄土寺下南田町
「哲学の道」へのアクセス
哲学の道を目指すときは、関西国際空港から高速バスを利用して、京都駅に向かってください。
空港からの高速バスの所要時間は、90分程度です。
哲学の道の北端は、京都市営バスのバス停「銀閣寺道」で下車してすぐのところに位置しています。
京都駅から、市バス[5]系統に40分ほど乗車すると、銀閣寺道に到着です。
近隣の観光スポット
観光スポット①銀閣寺(東山慈照寺)

銀閣寺は、哲学の道の北端にある寺院です。
室町幕府の第8代将軍である足利義政が1490年に開基したと言われています。
同じく京都の有名観光スポットである金閣寺が、室町幕府の全盛期に貿易で得た利益で建てられた豪華絢爛な寺院であるのに対し、銀閣寺は室町幕府の衰退期に庶民の税金を基にして建てられた寺院であるという違いがあります。
銀閣寺の見どころは、わびさびを感じる外観と、池泉回遊式の庭園である「錦鏡池(きんきょうち)」です。
現在の錦鏡池は江戸時代(17世紀〜19世紀前半)に改修されたものですが、銀閣が池の水面に映るように設計されており、特に人気のスポットとなっています。
また銀閣寺の境内には、銀沙灘(ぎんしゃだん) と、向月台(こうげつだい)という2つの砂盛りがあります。
この砂盛りは江戸時代に考案されたと言われており、月の光を反射させて、銀閣寺を美しく照らす役割を担っているとされています。
残念ながら現在の拝観時間(3月1日〜11月30日は午前8:30〜午後5:00・12月1日〜2月末は午前9:00~午後4:30)では砂盛りの仕掛けをみることはできませんが、先人が知恵を結集させた見事な庭の美しさは、日中でも十分に堪能することができます。
銀閣寺の所在地
京都府京都市左京区銀閣寺町2
観光スポット②法然院

哲学の道から洗心橋、もしくは法然院橋をわたって東に10分ほどあるいた場所にあるのが、「法然院」です。
法然院は江戸時代の初期にあたる1680年に、浄土宗を開いた法然上人のゆかりの地に寺院を建立する目的で、基礎が築かれました。
東山の山間にひっそりとたたずみ、参道と庭園を開放してはいるものの、京都の寺院の中では比較的小規模の寺院であることから、観光客は少なめで、ゆっくりと京都の四季を感じることのできる観光スポットになっています。
法然院の見どころは、風情のある茅葺の屋根、数寄屋造りの山門、そして白砂壇(びゃくさだん)と呼ばれる盛り砂です。
それぞれの見どころは、豪華絢爛な美しさではないものの、京都の奥ゆかしさや歴史の重み、そして日本人が美徳とするつつましやかな上品さを感じられるスポットとなっています。
拝観時間が午前6時〜午後4時までに設定されていますので、哲学の道の桜を静かに眺めた後の散歩コースにもぴったりです。
法然院の所在地
京都府京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町30番地
観光スポット③南禅寺

哲学の道から歩いて15分ほどの場所にあり、境内全体が国の史跡に指定されているのが「南禅寺」です。
国宝「方丈」や、「三門」をはじめとした重要文化財や歴史的建築物が自然景観に溶け込む様子は、非常に幻想的で美しいと、国内外の観光客からの人気が高い京都の定番観光スポットです。
1291年に臨済宗南禅寺派の総本山として開創されており、哲学の道と同様に、八重桜やソメイヨシノ、しだれ桜を観ることができます。
哲学の道とは趣が異なり、歴史のある建造物を背景に咲く桜の力強さを感じてみてくださいね。
南禅寺の所在地
京都府京都市左京区南禅寺福地町86
まとめ
哲学の道は、京都の歴史や寺院を辿る人気の観光ルートからほど近い場所にある、桜の名所です。
延々と続く桜の並木道には、見ごろを迎えたソメイヨシノの花が一斉に咲き誇り、日本の自然の豊かさを感じ、穏やかな気持ちになれますので、ぜひ春の京都で寺院巡りをする際は、哲学の道の桜を楽しんでください。