群馬県

2023/12/08

ご当地B級グルメ「上州カツ丼」とは?高崎での特徴や発祥も

上州といえば、現在の群馬県を指す土地。その周辺で食べられている「上州カツ丼」をご存じでしょうか?カツ丼と聞くと、一般的には甘辛く煮たカツを卵でとじた料理を想像するかもしれませんが、上州のカツ丼は少し変わった特徴があります。

今回は、群馬のご当地グルメ「上州カツ丼」について紹介しながら、高崎市での特徴やその歴史にスポットを当ててご紹介します。

群馬のご当地グルメ「上州カツ丼」とは?

上州地方といえば、「かかあ天下」に「空っ風」「雷」と言われ、陽気できっぷがよく、てきぱきとした気風があると言われています。その様子は料理の見た目や作り方にも表れているのだとか。

群馬県で食べられている「上州カツ丼」は、揚げたてのカツをソースやタレにくぐらせ、そのままごはんの上にのせたシンプルな一品です。

上州カツ丼にはいくつか種類があり、群馬県東部の桐生市では主にヒレ肉のカツをソースにくぐらせた、桐生ソースカツ丼が定番です。一方、南西部の富岡市、藤岡市、安中市などでは、カツを甘辛いタレにくぐらせた、タレカツ丼が広まっています。

そして、その境目に位置する高崎市では、ソースカツ丼とタレカツ丼の両方のお店が存在し、歴史のある老舗店に出会えるのが特徴なんです。

ここまで、上州カツ丼の地域性について紹介してきましたが、ソースやタレの味、カツの大きさ、衣の粗さなど、お店それぞれの個性があることも忘れてはいけません。カツを追加で1枚トッピングできたり、カツ丼がワンコインで楽しめたりするお店もあり、お気に入りのお店を探してみる楽しさもありそうです。

ちなみに、上州カツ丼はうどんやおそば屋さんでも提供されており、その理由は、実は発祥の歴史と深く関わっているのです。

上州カツ丼の発祥や由来

日本のカツ丼に関する発祥は諸説がありますが、当初のカツ丼は現在のように卵でとじた料理ではなかったそうです。一説によると明治時代に、あるそば屋の亭主が東京に出かけた際に食べたカツレツの味が忘れられず、それをメニューに取り入れようとしたのが始まりだと言われています。

また、当時出前が多かったそば屋で提供がしやすいように、丼にして提供していたとのこと。

次に、上州のカツ丼のルーツについて、その起源は桐生市の鰻屋にあると言われています。お店で使っていた鰻のタレにウスターソースをブレンドし、カツ丼に使ってみたところ人気を集め、ソースカツ丼を提供するお店が増えていったそうです。

もともと織物業が盛んだった桐生市では、冷めてもおいしいソースカツ丼の出前が人気だったようで、高級な織物を買いに来た客人へのおもてなしに、ヒレ肉を使ったカツをふるまい、その文化が定着したのではという話もあります。

上州カツ丼の種類

ここからは、上州カツ丼の種類について紹介します。

桐生市などで人気のソースカツ丼

「ソースカツ丼」は群馬県のソウルフードとして親しまれ、桐生市のほかに前橋市や伊勢崎市などで食べられます。やわらかいヒレ肉を使ったカツが一般的で、信州のソースカツ丼などに多い千切りキャベツはのせず、ソースにくぐらせたヒレカツを豪快に丼にのせたものが定番です。

ソースはウスターソースをベースに、しょうゆやみりん、砂糖などを加えたそばの「返し」に近い、和風の味つけになっています。

明治時代に日本に入ってきた「ソース」。日本で洋食が広まってきた頃に人気になった調味料です。洋食の雰囲気を感じる「ソース」と、そばの「返し」という和風の味つけを合わせた、元祖カツ丼は和洋折衷の料理とも言うことができそうです。

高崎市や南西部に多いタレカツ丼

高崎市や群馬南西部に多いタレカツ丼は、甘辛いしょうゆダレにサクサクのカツをくぐらせ、カツのジューシーな味わいとタレがしみたごはんまでが楽しめる一品です。甘めのタレが食欲をそそり、あっという間に完食してしまうおいしさですよ。安中市には、甘辛く煮たカツにタルタルソースをのせた、ちょっぴり珍しいタレカツ丼もあるようです。

上州カツ丼のおいしさと魅力

上州カツ丼はやわらかくジューシーなカツとサクサクの衣、ソースやタレの味わいが三味一体となり、絶妙なハーモニーが広がる一品ではないかと思います。

一見、白いごはんに揚げたてのカツをのせた、白と茶色の素朴な色合いに見えますが、一口食べれば、お肉の旨みや衣の食感、コク、ソースやタレの奥深い味わいが楽しめます。また、味つけに地域性があり、群馬県ではソースカツ丼やタレカツ丼、卵でとじたカツ丼など、バリエーション豊かな丼に巡り合えることも大きな魅力ではないでしょうか。

いつもとひと味違うカツ丼が手頃な値段で食べられるので、ぜひ召し上がってみてはいかがでしょうか?

高崎市へのアクセス

ここからは、ソースカツ丼とタレカツ丼の両方のお店がある、高崎市へのアクセスをご紹介します。

高崎市といえば、天空の湖と呼ばれる「榛名湖(はるなこ)」があることでも有名ですね。標高が高く、夏は涼しいため、群馬では避暑地としても人気なのだそう。湖の上では遊覧船やボート、冬はワカサギ釣りなどが楽しめます。

湖の周辺は山に囲まれており、ハイキングや登山、キャンプなどアウトドアのレジャーの種類も豊富です。リラックス気分を味わうのにぴったりな場所なので、高崎市に行かれる際はぜひチェックしてみてくださいね。

さて、東京からのアクセスの場合、北陸新幹線や上越新幹線を利用して約50分ほどで到着します。在来線のJR高崎線を利用すると、約2時間の道のりになります。

車で行く場合は、関越自動車道経由で、約1時間30分ほどで到着しますよ。

群馬県の位置

まとめ

今回は群馬県のご当地グルメ、上州カツ丼をご紹介しました。

発祥の歴史については奥が深く、地域によってソースカツ丼やタレカツ丼などの味つけが変わることも、興味深い発見でした。
食欲をそそるソースやタレ、そして白いごはんとのハーモニーなど、その味わいを楽しむ要素が盛りだくさんの「上州カツ丼」。

群馬県へお越しの際は、ぜひ現地のお店を訪ねてみてくださいね。

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