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2024/05/22
埼玉のご当地B級グルメ「武蔵野うどん」とは?特徴や歴史を紹介!

この記事の目次
埼玉県は、地域に根付いたさまざまなうどんが多く「うどん共和国」ともよばれています。そのなかの一つが武蔵野うどんです。武蔵野うどんは、江戸時代から武蔵野台地で受け継がれてきた郷土料理です。
そんな武蔵野うどんの特徴と歴史について探っていきましょう。
武蔵野うどんの特徴

武蔵野うどんは、太めでコシが強く茶色がかった手打ちうどんです。麺は、ざるに盛って「ざるうどん」か「もりうどん」にします。
武蔵野うどんでは、小皿に薬味のネギや、旬の野菜を茹でたものが盛り付けられます。うどんに添えて食べる茹で野菜などを、武蔵野うどんでは「糧(かて)」といいます。また、糧が添えられているうどんを「糧うどん」と呼びます。
糧うどんが、武蔵野うどんの本来の食べ方だといわれています。手前の右側につけ汁、左側に武蔵野うどん、奥に糧を置くのが基本のスタイルです。お店によっては、つけ汁と武蔵野うどんの位置が逆の場合もあります。
武蔵野うどんでは、一切れの幅広いうどんが盛られていることがあります。これは、手打ちうどんの余った部分で「みみ」と呼ばれるものです。
水で締めた冷たいうどんを、温かいつけ汁につけて食べます。天ぷらうどんのような食べ方はありません。つけ汁は、しめじやえのきなどシンプルな具材のものが多く、素朴で優しい味わいです。
つけ汁は醤油ベースですが、濃すぎない味付けが特徴です。武蔵野うどんを食べていると、小麦の甘みが自然に伝わってきます。武蔵野うどんを食べ終わったあとのつけ汁は、割り湯を入れなくてもそのまま飲めます。
最近では、だしが利いたしょうゆ味の温かい肉汁に武蔵野うどんをつけて食べる「肉汁うどん」が人気です。豚肉の細切れを具にした「肉汁うどん」などは明治時代中期以降の食べ方です。
肉汁うどんのほかにも、きのこ汁うどんやなす汁うどんもなどもあります。また、具なしのつけ汁で提供しているお店もあります。
武蔵野うどんの歴史
武蔵野うどんは、埼玉県の西部地域と東京の多摩地区が発祥の郷土料理です。江戸時代の武蔵野台地で、食べられてきた農家の家庭料理です。
武蔵野台地は、埼玉県の荒川、多摩川、入間川に囲まれた台地で、水に乏しい地域でした。武蔵野台地では、米があまりとれなかったため、米の代わりに小麦を植え、小麦で作ったうどんを食べていました。
このあたりの農家では、冠婚葬祭などの行事をすべて家庭でおこない、ご馳走をふるまったあと、うどんを出す風習があります。ですが、当時貴重なうどんでおなかを満たすわけにはいかず、糧として野菜を添えて食べていました。
当時は女性が食事を作る役割だったので、うどんの打てない女性のいる家庭は「うどんの打てない女は農家の嫁にいけない」「あそこの嫁はうどんも打てない」などといわれることもあったそうです。
そんな古くから武蔵野台地で伝えられてきた「手打ちうどん」ですが、呼び名がありませんでした。
武蔵野うどんと名付けたのは、東京都小平市出身で、國學院大学の名誉教授を務めていた加藤有次さんです。加藤さんが武蔵野台地でとれた小麦で作ったうどんを「武蔵野手打ちうどん」と命名しました。
母親の手打ちうどんを食べて育った加藤さんは、その食文化を守るため、昭和63年1月に「武蔵野手打ちうどん保存普及会」を設立します。その後、2022年3月には「武蔵野地域のうどん文化」が、江戸時代から続く郷土料理として「伝統の100年フード部門」に認定されました。
加藤さんは「武蔵野手打ちうどん」と名付けられましたが、今では「武蔵野うどん」とよばれ親しまれています。
埼玉の観光情報とアクセス方法
埼玉に訪れた際は、武蔵野うどんが食べられる川越市で観光も楽しんでみてはいかがでしょうか。今回は、笠間市にある3つの人気観光スポットを紹介します。
蔵造りの町並み

江戸の面影を残した「蔵造りの町並み」は「小江戸」とも呼ばれ、多くの方が訪れる人気の観光スポットです。
風格ある瓦屋根の建物が道の両側にズラッと並んでいます。食べ歩きをしたりお土産を買ったりと、風情のある街並みで観光を楽しめます。街並みのシンボルになっている「時の鐘」も必見です。鐘の音は、6時・12時・15時・18時の1日4回鳴ります。
菓子屋横丁

蔵造りの街並みの近くには「菓子屋横丁」があります。なつかしさを感じるお菓子屋さんが約20軒、石畳の道のあちこちに並んでいます。菓子屋横丁は、子どもと一緒に楽しめる観光スポットです。
食べ歩きせんべいやおまんじゅう、駄菓子や手作り飴などさまざまな商品があるので、何を食べようか迷ってしまうほどです。「菓子屋横丁」に漂う素朴でなつかしい香りは、平成13年「かおり風景100選」に選定されました。
川越氷川神社

「お氷川様」と呼ばれ親しまれている川越氷川神社には、五柱の神々がまつられています。五柱の神々は、家族であることから「家族円満の神さま」また「夫婦円満・縁結びの神様」として信仰されています。
春には小学校になる子供たちの交通安全・学業成就を祈願する「ランドセルお祓い式」。夏には「七夕祭」や「縁むすび風鈴」が行われます。10月中旬に行われる「川越まつり」は、氷川神社例大祭の付祭りです。年間を通してさまざまな神事が行われる川越氷川神社は、観光客だけではなく、地元の人々にも親しまれています。
グルメも観光も楽しめる川越市は、都心から近く、アクセスも良好です。東京からは車で約1時間30分です。名古屋からは新幹線を乗り換えて約3時間で到着します。最適なアクセス方法を探してみてくださいね。
埼玉県川越市の位置
まとめ
しょうゆ味のつけ汁で食べる武蔵野うどんは、茶色がかった麺でコシが強く食べごたえがあります。お店によってつけ汁の具材や添えられているものが違うので、さまざまな味わいを楽しめます。
武蔵野台地の農家でハレの日の行事食として親しまれていた、武蔵野うどんは今も受け継がれているご当地B級グルメです。
埼玉に訪れた際は、武蔵野うどんをぜひ食べてみてくださいね。
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