鹿児島県

2024/12/27

鹿児島県のご当地B級グルメ「そうめん流し」とは?特徴や歴史を紹介!

鹿児島県では、ドーナツ状の容器を使い、そうめんをぐるぐる回転させながら食べる「そうめん流し」が夏の風物詩として親しまれています。この回転式そうめん流しは、全国的に知られる竹樋を使った「流しそうめん」とは異なり、専用の器具を使うことで、テーブルを囲んで気軽に楽しめるのが魅力です。

そんなそうめん流しの特徴や歴史について探っていきましょう。

そうめん流しの特徴

「そうめん流し」は、湧水にさらしてから食べることで、ざるに盛られたそうめんよりも、すっきりとした味わいと喉越しの良さが際立ちます。その涼やかな食べ方は、暑い夏にぴったりで、鹿児島県内のさまざまな場所で楽しむことができます。

発祥の地として有名な「唐船峡」では、平成8年(1996年)に国土庁(現在の国土交通省)の「水の郷百選」に選ばれた清涼な湧水を活用し、年間を通じてそうめん流しが提供されています。

市営唐船峡そうめん流しでは、日本三大そうめんの一つ「島の光」を使用しており、山川産の鰹節で作った秘伝のつゆで味わえます。定食には、おにぎりやマスの塩焼き、鯉料理などが付き、ボリューム満点で人気です。また、冬の寒い時期には「温メニュー」も提供されています。開放感ある木造エリアでの食事や、敷地内のチョウザメが泳ぐ池も魅力です。

鹿児島市谷山の慈眼寺公園内にある「慈眼寺そうめん流し」では、桜島をイメージした噴火型の流し器が特徴的。また、霧島市溝辺町の「竹川峡」では、霧島サーモンや川魚料理、季節限定の合鴨料理なども堪能できます。

湧水の流れる音を聞きながら家族や友人と楽しめる「そうめん流し」は、多くの人々に親しまれています。

そうめん流しの歴史

鹿児島県の夏の風物詩「そうめん流し」は、昭和37年(1962年)に指宿市開聞町の「唐船峡」から始まりました。当時、町役場職員だった井上廣則さんと新村良一さんが、湧水を活用して観光客を呼び込むために考案したのがきっかけです。この地域では昔から、地元の人々が家で湯がいたそうめんを清水に浸して食べる習慣がありました。

最初は、竹の樋を使った流しそうめん形式で町営施設がオープンしましたが、竹の手入れや人手の問題が課題でした。そこで「団体でテーブルを囲んで楽しめる方法」を模索し、昭和38年(1963年)に「回転式そうめん流し器」が開発されました。

この装置は、中華料理の回転テーブルや洗濯用たらいから着想を得て設計され、竹樋が不要で手間を省ける便利さと、テーブルを囲んで楽しめるスタイルが観光客に高く評価され、全国的にも注目されました。

昭和40年代には昭和天皇の弟・高松宮ご夫妻の訪問をきっかけに、さらに全国的な知名度を獲得。井上さんはその後、回転式そうめん流し器の権利を町に譲渡し、昭和45年(1970年)には特許権が開聞町に交付されました。

唐船峡は「水の郷百選」にも選ばれる湧水の名所として成長し、年間約20万人が訪れる観光地となっています。現在では、家庭用回転式そうめん流し器も販売され、鹿児島発祥の「そうめん流し」は全国に広がっています。涼やかな湧水とともに楽しむそうめん流しは、夏だけでなく一年を通じて味わえる鹿児島の誇りある食文化です。

鹿児島県の観光スポット

そうめん流しが楽しめる鹿児島県には、さまざまな観光スポットがあります。今回は、そのなかから特に人気のある3つのスポットを紹介します。

桜島

錦江湾に浮かぶ「桜島」は、鹿児島のシンボルとされています。季節や時間、眺める場所によってさまざまな表情を見せる桜島は、約26,000年前に誕生しました。高さは、1,117ⅿ(北岳・御岳)あり、面積は約80km²、周囲は約52kmです。北岳と南岳の2つの火山が合体しているので、鹿児島市街地からは横長に見えます。

噴煙を上げ続ける桜島の姿には、多くの方々が魅了されています。日本だけではなく、海外からも観光客が訪れるほどです。溶岩原や展望スポットでは、日常とかけ離れた景色を楽しめます。

慈眼寺公園

「慈眼寺公園」は、鹿児島市南部の谷山地域に広がる、市民に親しまれる自然豊かな公園です。名前の由来となった慈眼寺は、飛鳥時代に百済の名僧・日羅によって開基された寺院で、かつては薩摩の三ヶ寺の一つとして知られていました。現在、寺院そのものは廃仏毀釈によって失われましたが、跡地は市の文化財として保護され、歴史の趣を感じることができます。

園内には渓流や緑に囲まれた自然遊歩道が整備され、四季折々の花々が訪れる人を楽しませます。春には桜やネモフィラ、秋にはコスモスが見頃を迎え、多くの人々で賑わいます。歴史と自然を同時に味わえる人気の観光スポットです。

丸尾の滝

鹿児島県霧島市にある「丸尾の滝」は、高さ約23m、幅約16mの壮大な滝です。この滝の最大の特徴は、霧島地区の温泉水が集まって流れる珍しい「湯の滝」であること。乳青色の水が勢いよく流れ落ちる様子は、幻想的な美しさで、多くの観光客を魅了しています。

四季ごとに異なる表情を見せるのも魅力の一つ。秋には紅葉とのコントラストが鮮やかで、冬には湯けむりが立ち上る幻想的な景色が広がります。さらに、夜間のライトアップでは、飛沫が照明に反射し、ロマンチックな雰囲気が楽しめます。駐車場の近くには、滝を間近で観賞できる展望台が整備されており気軽に立ち寄れる観光スポットです。

鹿児島県のアクセス方法

グルメも観光も魅力的な鹿児島県には、さまざまなアクセス方法があります。日本三大都市でもある東京、大阪、名古屋からのアクセスも便利です。

東京からは、羽田空港からの直行便が運航されており、飛行時間は約2時間。鹿児島空港から鹿児島市内まではリムジンバスで約40分です。

大阪からは、伊丹空港や関西国際空港発の直行便が便利で、所要時間は約1時間10分。また、新幹線を利用する場合、新大阪駅から鹿児島中央駅まで直通の「さくら」や「みずほ」で約4時間です。

名古屋からは、中部国際空港発の直行便を利用すると、所要時間は約1時間20分。新幹線を利用する場合は、名古屋駅から博多駅で乗り換え、鹿児島中央駅まで約5時間で到着します。

車でゆっくりドライブを楽しみながら鹿児島県に向かうのもおすすめです。最適なアクセス方法を探してみてくださいね。

鹿児島県の位置

まとめ

地域の湧水と独自の発想から生まれた鹿児島県のそうめん流しは、夏の風物詩でありながら、一年を通して楽しむことができます。

鹿児島を訪れた際は、ぜひそうめん流しを味わってみてくださいね。

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