長野県

2024/03/06

長野の「駒ヶ根ソースカツ丼」とは?特徴や歴史を紹介

東西に2つのアルプスを望む、長野県駒ヶ根市。特有の氷河地形や景勝地が点在するこの町で、人気の「駒ヶ根ソースカツ丼」をご存じでしょうか?かつ丼と聞くと、一般的にはトンカツを卵でとじた丼料理を連想しますが、駒ヶ根ではソースを使ったカツ丼が定番になっています。そこで今回は、駒ヶ根名物のソースカツ丼の魅力について解説します。

駒ヶ根ソースカツ丼の特徴

あつあつのごはんに千切りキャベツと、サクサクのカツをのせて仕上げた駒ヶ根ソースカツ丼は、お店特製のソースにくぐらせた大きなカツがのっているのが特徴です。一般的なかつ丼とは違い、食感のよいキャベツと甘辛いソース味のカツ、ほかほかごはんとの相性が楽しめます。

平成5年には飲食店有志による「駒ヶ根ソースかつ丼会」が発足し、ソースカツ丼を提供するお店にいくつか規定を設けているのだとか。

<お客様のための駒ヶ根ソースカツ丼規定>

  • 器は丼に限定する
  • ソースかつ丼は豚肉のロースを基本とし、120g以上とする
  • かつはパン粉を付けて揚げたものでなければならない
  • キャベツは細かく切って水に浸してから水分を切って丼の飯の上にのせる
  • かつを揚げる油について油脂は自由としても良いが、揚げかすは必ず取り、汚れた油では揚げない
  • ソースはソースかつ丼会で作ったものを最低基準とし、これに工夫をすることが望ましい
  • かつを揚げてソースに潜らせる時、ソースも温めておき、揚げたてのかつをそのままソースに潜らせて切って飯にのせても、切ってからソースに潜らせて飯の上にのせても自由とする
  • 海苔などはソースかつ丼にのせない。また、キャベツ以外の野菜はのせない
  • 蓋は自由とする

駒ヶ根ソースかつ丼公式サイトより引用

このように、おいしい駒ヶ根ソースカツ丼を届けるために、調理工程や盛り付けの仕方に、細やかな工夫を取り入れているのが特徴でもあります。

駒ヶ根ソースカツ丼の発祥と歴史

歴史を紐解いていくと、駒ヶ根市内では昭和初期から「駒ヶ根ソースカツ丼」が提供されていたそうです。そのルーツは、昭和3年に開店した喫茶店にありました。

当時、カレーやカツレツ、オムレツなど、洋食料理が世間に広まり始めていた頃。もともと食通だった喫茶店の店主が、洋食料理のカツライスから着想を得て、揚げたてのカツに独自のソースをかけて、キャベツとの相性にこだわった「ソースカツ丼」を提供し始めたのがはじまりです。それがたちまち人気となり、「かつ丼といえばソースカツ丼」といった文化が、駒ヶ根市内で徐々に定着していきます。

それから数十年後、全国で町おこしの風潮が出てきた頃、駒ヶ根でもなにか地元の名物をPRしようという動きが高まり、もともと食べられていたソースカツ丼を名物として広めていくことになったそうです。現在はレストランや食堂、ラーメン店、居酒屋など、市内30店舗以上のお店で食べることができますよ。

駒ヶ根ソースカツ丼のおいしさと魅力 

サクサクのカツと甘辛いソースが後引くおいしさの「駒ヶ根ソースカツ丼」は、お店によってお肉の部位やカツの厚さ、ソースの味わいに違いがあります。定番はロースで、やわらかいヒレ肉を使っているお店もあります。

ソースは濃厚で甘めのものやさらっとしたコク深い味わいのものなど、お店で独自に配合したものになっています。

一見ボリュームのある見た目のソースカツ丼ですが、さっぱりとした千切りキャベツと甘辛くフルーティーな酸味のソースなど、ジューシーなカツに合わせたバランスのよさで、お箸がどんどん進んでしまうことも多いのだとか。お店によっては、通常よりもお肉を増量した「上ソースかつ丼」などのメニューもあり、その人気がうかがえます。

また、卓上にはからしが置いてあることも多く、甘めのソースにツンとした辛みのアクセントが加わり、味の変化も楽しめますよ。

駒ヶ根市のおすすめ観光スポット

ここからは、駒ヶ根市のおすすめ観光スポットをご紹介します。3000m級の山々にはさまれた駒ヶ根市では、雄大な自然を活かしたレジャーが人気です。

絶景スポットの宝庫「駒ヶ根高原」

まずご紹介するのは「駒ヶ根高原」。ここは伊那盆地最大の高原で、標高約800mのところにあります。氷河地形の「千畳敷カール」や「駒ヶ池」などここでしか見られない特有の景観が楽しめ、駒ケ岳ロープウェイに乗ると、中央アルプスに生息するカモシカやリスなどの動物に出会えることも。また、バス乗り場に隣接している「駒ヶ根ファームス」では、南信州のビールや駒ヶ根の名産品「すずらん牛乳」、地元の新鮮な農産物を購入することもできますよ。

3つの日帰り温泉が楽しめる「早太郎温泉郷」

中央アルプスの麓に沸く「早太郎温泉」は、別名「美肌の湯」とも言われ、無色透明でやわらかな肌ざわりのお湯が特徴です。周辺には光前寺やスキー場などの観光スポットも多く、登山客や地元の方にも人気です。早太郎温泉には3つの日帰り温泉があり、それぞれ個性があります。「こまゆき荘」では、浴槽の窓から南アルプスの山々が一望でき、「こまくさの湯」では大きな内湯や薬湯、ジェットバス、露天風呂などがあり、絶景の中央アルプスと松林が見どころです。「露天こぶしの湯」には、広いウッドデッキの露天風呂や最新のバレルサウナがあり、癒しのひとときが楽しめますよ。

駒ヶ根市へのアクセス

ここからは、駒ヶ根市へのアクセスについてご紹介します。東京や名古屋、大阪から来られる場合は、高速バスでの移動が便利です。

新宿西口にある京王高速バス予約センターでは、千畳敷カール行きの通し切符が購入できます。駒ケ根高原にある日帰り温泉施設の入浴券やお土産の割引券もついており、お得に駒ヶ根旅行が楽しめますよ。

また、高速バスを利用すると、新宿から駒ヶ根までは乗り換えなしで、約3時間30分。名古屋からは中央自動車道を経由して約2時間30分、大阪からは名神高速道と中央自動車道を経由して、約4時間40分の道のりになります。

長野県駒ヶ根市の位置

まとめ

今回は長野県駒ヶ根市の名物「駒ヶ根ソースカツ丼」をご紹介しました。食べ応え抜群のカツと味わい深いソースが絶妙にマッチした一品です。さっぱりとしたキャベツやソースがしみたごはんとの相性も、ぜひ堪能してくださいね。

\ テンポススター加盟店を募集中! /