2024/11/14

【薬膳】【瞑想-MEISOU】とは? その②

先日このコーナーでお勧めした「薬膳料理も楽しめる♪ INAKA Experience 初めての瞑想体験」。
https://www.tenposstar.com/blog/food-experience/2017/
瞑想っていう言葉もよく聞きますが、こちらも明確に答えられなかったりしますよね。こちらもちょっと調べてみました。

「瞑想」の歴史

英語で言うと、meditation または contemplation と訳されてますが、その意味合いは明確ではないみたいです。

研究によると、人類が狩りで生活していた頃、どう猛な動物と対峙した時冷静な対処ができるために用いられたという遥か昔に始まります。数千年前はインドでブッダが精神修行として瞑想を行っていたそうですし、キリスト教では、日課として祈りによる瞑想の時間が設けられているとか、イスラム教でもひたすらアッラーの名と聖句を唱え続け、自身を神で満たすというのもあり、宗教宗派によって様々な形式で行われてきました。日本では、聖徳太子も瞑想を取り入れていたともいわれていますが、鎌倉時代に武士が精神修行のために積極的に取り入れてきた禅道の坐禅はその後庶民にも広く伝わり、また、医学界でも科学的に研究され用いられてきました。

歴史も深く、全世界的にそれも多方面で行われてきたとなると、そりゃ明確に「瞑想とはこういうことだ!」とは意味付けられませんよね・・
曖昧なイメージでいいのかな~という感じですが、極度の時間をかけたり極端な方法で行うという瞑想でなければ、欲や感情から離れ心と体をより良いものにするということは共通しているようです。

ヨガや太極拳などのように動きながらのものや、低い声を出しながら行うものなどスタイルもそれぞれで、「己と向き合う」「雑念をなくして無になる」「一つの意識に集中する」など目的も異なっていますが、日々の生活の中での多くのやるべき事・難題・欲望・心配事・誘惑といった、避けられないことや招き入れてしまっていることから解放することであり、そこから自らを律して進むべき道を見つめなおすことが目指すゴールのようです。

ゆったりと呼吸する

瞑想の達人ともなれば、どんな場所でもできるのかもしれませんが、気持ちを落ち着かせられる、一般的には静かな場所で行います。
そして、姿勢を正し呼吸を整える。呼吸は当たり前にしていることですが、ゆっくり吸って吐くということはとても大切なことなのです。怒りが爆発した時、気づくと息が荒くなっていますよね。号泣している時もそう。驚いた時には、つい息を止めてしまったり、嫌なことがあると、はぁ~~・・と多くを吐き出してしまったり、それぞれの感情によって呼吸の仕方が変わってきますよね。

つまり呼吸を平静に安定させることは、心を平静に保つ手立てになるんです。怒りの感情が起きたら心の中で6秒カウントしなさいとか、泣きじゃくっている人に手をかけ穏やかな呼吸ができるように導いてあげたりとか、緊張しているときに深呼吸して息を整えたりしますよね。
映画では、悪に立ち向かうヒーローは信じられないほどの窮地に陥っても息を荒げて感情的になりません。冷静に対処していく姿、カッコいいですよね!

映画のヒーローは別として、多くの人は襲い掛かる不測の事態や日常生活でのストレスを感じた時、気付くと呼吸が乱れたり、どこかの筋肉が緊張したりするものです。また、感情に揺さぶられていない時でも、ゆっくり吐いて吸うということが難しく感じるという人もいると思います。常々多くのすべきことを抱えていたり、何か急かされると感じていると呼吸が短くなりがちです。呼吸を整えることに意識を持つということは、その時に支配している感情からいっとき離れることでもあるのです。良い睡眠時のような安定した穏やかな呼吸リズムにすることによって、心と体がリラックスして良い方に向かうのです。

それぞれの瞑想の仕方

前述のように、瞑想中の意識については、己を深く見つめる・神に近づく・無になるなどそれぞれですが、日本古来の禅での瞑想は、無になる、精神を統一をするということです。


私が以前座禅を体験させて頂いたとき、ご住職さまから、「人はほんの短い時間であれば『無』になる、つまり何も考えないということができるけれど、時間が長くなればなるほど絶対に何かを考えてしまいます。目を瞑ればなお、心の声が聞こえ易くなるので、薄目で1メートルくらい先の床をぼんやり見てください。それでもきっと、何かしらを考えてしまいます。でも、その考えを自分に一つの矢が突き刺さったと思って、あちこちからの矢を受け止めないよう、できるだけ少ない矢にとどめておくようにしてください。」と言われたことがあります。長い時間『無』になれるというのは、悟りを開いた修行僧に近いものだそうです。無になろう、無になりたい、と座禅に来られる方が多くいのでそのように仰られているそうです。

また、ヨガのインストラクターをされている方から、「瞑想の一つの方法は、自分を俯瞰して見続ける」と聞きいたことがあります。俯瞰するってどういうことかと尋ねたら、自分を斜め上数メートル先のカメラから見ていると仮定して、自分は今、この環境でこんな状態でいるんだと自分の行動を観察するということだそうです。電車に乗っている時やただ道を歩いている時などに、そこに映っている自分の姿を追うことによって感情から離れられるそうです。例えば、いきなり他人にぶつかられて怒ってしまったら、カメラから見る自分に対して「あ、ぶつかられて怒っているぞ」となるわけです。そのように自分を客観視することで自分の行動を冷静な目で見つめ直せるというのです。

多くの瞑想方法があり、自分と生活に合ったものは見つかりやすいと思うので、一年の疲れを軽減させるにもやってみてはいかがかでしょうか。

最後に、ヨガをされたことがある方ならご存知かと思いますが、一連のヨガポーズの後、ヨガマットに寝て行うシャヴァーサナ(屍のポーズ)をご紹介したいと思います。

仰向けに寝て、脚は楽な感じで肩幅程に開き、腕も手のひらを上向にして2〜30センチ身体から離して楽な位置に置きます。そのまま一度息を吸いながら肩をギュ~ッと耳の方に近づけて一気に吐きながら耳から遠ざけたところにストンと落とし、長い呼吸しながら各部の脱力を確認して沈み込んでいくようにイメージします。静かな音楽とリラックスする香りも効果てきめん!この状態で5分間リラックスすると、約2時間の休息を得られたのと同じ効果があると言われてます。眠れない夜、ベッドの上で行うと気持ちの良い朝を迎えられると思いますよ!


執筆者:himiko